【伊木緑、湊彬子】東京電力福島第一原発事故から2年を前に「原発ゼロ社会」を求める集会や行進が10日、各地であった。東京都千代田区の日比谷野外音楽堂の集会では、作家の落合恵子さんが「無関心層にどれくらい言葉が響くかが効果につながる。声をかけ続けましょう」と呼びかけた。
日比谷の集会は首相官邸前で抗議行動を続ける市民団体が主催。同団体によると、集会の参加者を含む約4万人が「再稼働反対」などと書いたプラカードを掲げて官庁街や国会前を練り歩いた。幼い息子2人を連れた中山直子さん(29)は「いま(原発は)いらないと主張しないと、なし崩しで再開してしまう」。原発の是非を問う国民投票の実施を求める市民団体は新宿でデモや集会を催した。
大阪市でも御堂筋などでデモ行進。インターネットなどで参加を呼びかけた市民団体代表の池島芙紀子さん(73)は「あれだけの惨事があったのに、今の政権は何もなかったように再稼働を進めている」と危機感をあらわにした。