しんぶん赤旗 2013年12月7日(土)
政府指定の特定地域内で、雇用や医療、農業などの規制緩和や優遇税制を実施し、大企業を支援する「国家戦略特区法案」が6日、参院内閣委員会で採決され、賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。
日本共産党の山下芳生議員は討論で、▽弱肉強食の規制緩和を「国家の意思」として、上から一方的に国民に押し付け全国区に広げるもので、安心・安全が脅かされる国民の声は無視され、いっそうの格差と貧困をすすめる▽戦略特区諮問会議に「解雇特区」や雇用の規制緩和を主張する財界人の起用が進められようとしている▽労働法制の規制緩和の道筋をつけ、いっそう非正規化を進め、格差社会をひろげる―と反対理由を述べました。
そのうえで山下氏は「日米の財界要求を優先し、国民の命や暮らし、雇用や中小企業を守るルールを壊すことなどあってはならない」と主張しました。
採決に先立つ質疑で山下氏は、有期労働契約で5年たてば無期雇用に転換できる現行ルールを上限10年まで延長する規制緩和の検討が盛り込まれていることに言及。「雇用と労働は人間が生きていくための基本的条件だ」と強調し、労働者保護のルールが骨抜きにされる危険性があると批判しました。