毎日新聞 2014年06月26日
仕事も出世もほどほどがいい−−。日本生産性本部などが26日に公表した新入社員の意識調査で、そんな傾向が表れた。詰め込み教育の反省から学習内容が削減された「ゆとり教育」世代の仕事観が表れたとの見方も出ている。
調査は1969年から毎年行われている。今年は3〜4月に実施された新社会人研修に参加した新入社員を対象に行い、2203人から回答を得た。
「人並み以上に働きたいか」との問いでは「人並みで十分」とした回答が52.5%(前年度比3.4ポイント増)を占め、過去最高となった。「人並み以上」は40.1%(同2.6ポイント減)だった。「どのポストまで昇進したいか」の問いでは、専門職の20%(2004年度比7ポイント減)が最高で、重役、部長と続いた。04年度は2位だった社長が4位に下がる一方で、主任・班長は10%(同5ポイント増)と大きく増えた。同本部の岩間夏樹客員研究員は「ガツガツ働くのでなくほどほどに頑張るという傾向が出ており、ゆとり世代の特徴とも重なる」と分析する。
残業に関する質問では「手当が出るならやる」が69.4%(前年度比6.4ポイント増)で、「手当にかかわらず仕事だからやる」は23.7%(同5ポイント減)。「ブラック企業」が社会問題化する中、残業代不払いに厳しい目を向けていることがうかがえる。【東海林智】