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毎日新聞 2015年01月06日 14時20分
西日本初のアルバイト大学生自らが作る労働組合、関西学生アルバイトユニオンが、2月までに発足する。長時間労働や突然の解雇例は多く、「ブラックバイト」と呼ばれて社会問題化している。
結成準備メンバーは、関西大、京都大、同志社大などの学生約10人。組合費月数百円で組合員を募る。学習会などをしつつ、学生の労働相談に乗る。
全国大学生活協同組合連合会によると、下宿生の仕送り平均額は、1996年の月10万円強から2013年は7万円強に減った。仕送りゼロも全体の1割近い。
学者らの「ブラック企業対策プロジェクト」の調査で、学生バイトの平均労働時間は週15.5時間、うち3割は20時間以上だった。ユニオン準備メンバーの大阪市立大4回生、柊(ひいらぎ)まりさん(25)は「バイトが忙しく、ゼミ合宿や講義を休む人もいる」と話す。
柊さんは昨年1月、バイト先の塾で「今日でクビ」と言われ、非正規労働者の労組に相談した。労組が塾と交渉し、バイトは辞めたが、サービス残業分の賃金23万円を得た。
その後、学生同士で話すと、▽契約書がない▽最低賃金以下の時給−−などの「ブラックバイト」が続々と出てきた。柊さんらは「学生自身の労組があれば違うはず」とユニオン結成を思い立った。
ユニオンの顧問となる中西基(かなめ)弁護士(40)は「労働法を雇用側が知らないことも問題を深刻にしている。学生の声が社会全体の意識変革につながってほしい」と語る。【鈴木英生】