近畿財務局などが入る大阪合同庁舎第4号館。足早に入庁する人も=12日午前、大阪市中央区(前川純一郎撮影)
学校法人「森友学園」の国有地売却問題を担当した財務省近畿財務局管財部に所属し、7日に神戸市内で自殺した男性職員は昨年夏、親族との電話で「常識が壊された」と漏らしていた。親族は詳しい内容を聞いていないとしつつ「実直な人なので、やるべきではない仕事をさせられたのではないかと思う」と語った。親族が12日、取材に応じ、昨年来のやりとりを明かした。
職員は50代。以前は仕事の話をほとんどせず、弱音を吐いたこともなかったが、昨年8月、心療内科に通っていることを告げられた。電話で「毎月100時間の残業が何カ月も続いた」「常識が壊された」とつらそうな様子で話し「異動できずつらい」とも打ち明けたという。
職員はその後、仕事を休んだ。昨年12月に届いたメールでは、年明けの職場復帰の計画に触れながらも「心と体がうまくついていかない」と不安を吐露していた。
近畿財務局が国有地を値引きして売却した問題は、昨年2月に発覚。職員はこの前後に管財部の担当者として取材対応に追われていた。森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざん問題も踏まえ、親族は「汚い仕事をさせられたのではないか」と疑念を強めている。「正義感が強いから、間違ったことをさせられていれば、すごく抵抗したのではないか。全てを明らかにしてほしい」と訴えた。