働き方改革関連法案 労働時間把握を義務化 厚労省、修正へ

 厚生労働省は、今国会に提出を目指している働き方改革関連法案を一部修正する方針を固めた。新たに、働く人の労働時間の把握を企業に義務付ける見通し。当初は省令で規定する予定だったが、与党側が労働者の健康確保措置の強化を求めており、法律に盛り込むことにした。今月下旬にも修正案を与党に示す。【古関俊樹】
 法案を巡っては、厚労省の異常データ問題を受け、政府は裁量労働制に関する部分を削除。裁量労働で働く人の健康確保措置を強化する規定も削られることになるため、新たに労働者の健康を守るための規定を作ることが必要だという声が上がり、公明党が対応を求めて厚労相に申し入れをするなどしていた。

厚労省が想定しているのは、産業医の選任などを定める労働安全衛生法に、働く人の労働時間の把握を企業に義務付ける規定を加える。労働時間管理のやり方は省令で定める。

また、残業時間の上限規制について労働基準監督署が中小企業の実態を考慮して指導・監督を実施するという内容を盛り込む。法案では残業時間の上限は月100時間未満で、違反すると企業に罰則が科せられるため、従業員が少ない中小企業では仕事が回らなくなるという懸念が出ていた。
 法案は8種類の労働法規の改正を一本化したもの。残業時間の上限規制や、正規社員と非正規労働者の不合理な待遇差を禁じる「同一労働同一賃金」、高収入の一部専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度」の創設が柱となる。裁量労働制の対象拡大は法案から削除された。

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