うつ病自殺、一転して労災認定「休憩中も叱責」

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Yomiuri Online 2015年06月21日
  
 2012年7月に自殺した自動車販売会社「スズキ自販北陸」(本社・金沢市)の社員男性(当時24歳)について、厚生労働省の労働保険審査会は、「長時間労働などによるうつ病が原因」として、労災と認めなかった福井労働基準監督署の決定を取り消し、労災認定した。
 
 審査会は、男性が休憩時間中にも上司から指導・叱責されていた可能性があるとして、時間外労働時間を長く算定し直した。

 審査会の決定は17日付。男性の父親と代理人弁護士が20日、福井市内で記者会見を開き、明らかにした。労基署の決定が覆るのは異例。

 裁決書によると、男性は大学卒業後の10年4月に入社し、福井支店で自動車や部品などの販売を担当。12年4月にうつ病を発病し、7月に自殺した。

 審査会は、発病前の3か月間、男性は午後10時頃までの残業が常態化していたと判断。さらに、上司から日常的に指導・叱責を受けており、朝のミーティング後の休憩時間(10分間)も休憩していたとみることはできない――などとし、発病までの1か月間の時間外労働は128時間、その前の2か月も月100時間を超えていたとした。

 父親(56)は会見で「同じような悲劇が起こらないよう願っている」と話した。スズキ自販北陸は「担当者が不在でコメントできない」としている。

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