シンポジウム 長時間労働撲滅を 過労死遺族ら訴え 横浜/神奈川

 毎日新聞2018年4月21日 地方版

https://mainichi.jp/articles/20180421/ddl/k14/040/103000c

働き方改革一括法案の問題点を共有し、改革のあり方を考えるシンポジウム「これってホントの働き方改革?〜一括法案は猛毒入り!」(神奈川労働弁護団主催)が19日、横浜市中区の横浜開港記念会館であった。教師だった夫を過労死で亡くした「神奈川過労死等を考える家族の会」代表の工藤祥子さんら6人が、労働現場の実態を報告し、長時間労働の撲滅などを訴えた。
 自身も教師だった工藤さんは「教育現場は高度プロフェッショナル制度と裁量労働制を合わせたような働き方を先取りしている」と指摘。教職員給与特別措置法(1971年制定)により時間外手当が出ない現状を踏まえ、「多くの人が教師のような働き方になってしまうのは絶対に避けなければならない。夫を失った経験から、裁量労働制拡大は阻止しなければならないと強く思う」と語った。

また、約22時間の徹夜勤務後に原付きバイクで帰宅途中、事故で亡くなった渡辺航太さん(当時24歳)の母、淳子さんは「4年前の今日、元気だった息子の姿が目に浮かぶ」と涙ながらに話し、「長時間労働が生産性向上に比例しないのは明らか。人間の限界を試すような働き方は間違っている」と訴えた。【木下翔太郎】

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