長大病院の副看護師長自殺 遺族「長時間労働原因」 長崎地裁弁論 大学側争う姿勢 (9/5)

長大病院の副看護師長自殺 遺族「長時間労働原因」 長崎地裁弁論 大学側争う姿勢
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2019/9/5 11:22 (JST)9/5 12:09 (JST)updated ©株式会社長崎新聞社

 長崎大学病院の副看護師長の男性がうつ病を患い自殺したのは、昇格要件の一つの研修による心理的負荷と長時間労働が原因だったとして、男性の妻ら遺族が同大に約1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が4日、長崎地裁(土屋毅裁判長)であった。原告側は、研修は業務に含まれ月100時間以上の時間外労働があったと主張。大学側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。
訴状によると、男性は2004年4月から同病院に看護師として勤務。14年4月1日に副看護師長に昇格、看護師育成を担う「看護研修センター」に異動した。病院の昇格要件に従い5月30日から半年間の研修を開始。講義の予習やリポート作成など研修内容が膨大だったため、休日も図書館に出掛けて自主学習をした。7月14日夜に帰宅後、トイレで嘔吐(おうと)し泣き崩れるなどの状態となり、翌15日に自宅で自殺したという。
長崎労働基準監督署は昨年2月、▽配置転換や昇格昇進▽上司の「高圧的で冷淡な言動や態度」−など業務上の心理的負荷を理由に労災認定をしている。一方、研修や自主学習は業務性が認められないとした。
原告側は、研修は仕事と密接に関連した業務であり、うつ病発症前の1カ月間の時間外労働は月100時間を超えたと主張。大学側は今後、請求棄却の理由を主張するとした。 

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