HIV感染で内定取り消しは違法 法人に賠償命令 札幌地裁 (9/17)

HIV感染で内定取り消しは違法 法人に賠償命令 札幌地裁
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190917/k10012085511000.html
NHK News 2019年9月17日 12時11分

エイズを引き起こすウイルス、HIVへの感染を告げなかったことを理由に就職の内定を不当に取り消されたとして、北海道の男性が内定先だった社会福祉法人を訴えた裁判で、札幌地方裁判所は「周囲に感染する危険は小さく、感染の事実を告げる義務はない」と認め、法人に165万円の賠償を命じました。

北海道に住む30代の男性は、去年、ソーシャルワーカーとして病院への就職が内定したあと、過去のカルテを無断で見られてHIVへの感染を知られ、面接で告げなかったことを理由に内定を取り消されたとして、病院を運営する札幌市の社会福祉法人「北海道社会事業協会」に慰謝料など330万円の賠償を求めていました。

17日の判決で、札幌地方裁判所の武藤貴明裁判長は「HIVは極めて例外的な状況においてのみ感染が想定されるもので、原告の男性についても主治医の所見などから、周囲に感染する危険は無視できるほど小さい。採用面接で感染の事実を告げる義務はなく内定の取り消しは違法だ」と認めました。

さらに、病院側が過去のカルテをもとに男性の感染の事実を把握した点についても、医療情報の目的外利用でプライバシーの侵害にあたると指摘し、社会福祉法人に165万円の賠償を命じました。

原告男性「踏み込んで認められ、うれしい」
判決のあと取材に応じた原告の男性は「HIV感染者に対する不当な扱いは違法だと司法の場でここまで踏み込んで認められ、とてもうれしい。差別や偏見がすぐになくなるわけではないと思うが、これをきっかけに少しでも多くの人にHIVに対する正しい知識を持ってほしい」と話しました。
社会福祉法人「あすホームページでコメントを発表」
社会福祉法人「北海道社会事業協会」は、「判決文が届いていないのでコメントできません。判決文が届き次第、あすにもホームページでコメントを発表します」としています。
 

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