女性が働きやすい職場へ 変わる建設業界 女子高生と意見交換会など 群馬
https://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201909/CK2019092402000157.html
東京新聞 2019年9月24日
〔写真〕建設中の大型集客施設を見学する女子高校生や女性技術者=高崎市で
建設業界で働く女性を増やすためのさまざまな取り組みが県内で進んでいる。「きつい、汚い、危険」の「3K職場」の代表格として敬遠されがちな業界。建設現場の環境改善を促すことで女性が働きやすい職場づくりを後押しし、これまでのイメージを払拭(ふっしょく)したい考えだ。
「女性として苦労したことは」「職場の男女比は」。先月二十二日、県が前橋市で開催した女性技術者と女子高校生の意見交換会。県内の工業高校などで学ぶ六人が不安をぶつけた。
二歳児を育てながら一級土木施工管理技士として働く佐藤安紗美さん(36)は「子どもを職場に連れていくことに対する理解が広がっている」と笑顔で答え「道路工事に反対する住民の理解を得るために意思疎通を重ねる上で、女性ならではのこまやかさが生かされる場面もある」とやりがいも語った。
六人は意見交換後、高崎市で建設中の大型集客施設を見学。前橋工業高一年の入沢萌さん(15)は「完成後の達成感が大きいと思う。憧れが増した」と話した。
県建設業協会によると、二〇一七年度末時点の県内の女性技術者数は百五十五人で、全体の3・9%。過去五年間で微増してはいるが、依然として少ないままだ。女性活躍を進めたい協会は、建設現場は清潔か、トイレへの配慮があるかなどを女性会員が点検し、優れた会社を表彰する取り組みを始めた。
県発注の建設現場では、鏡付き洗面台や衛生用品を備えるなど、女性に配慮した「快適トイレ」を施工者が設置した場合、県が設置費用を負担して導入を促している。
県の担当者は「まだまだ女性が少ない業界。女性が働きやすい職場にすることは男女双方にとって環境改善につながる」と話している。
建設業界の働き方について女性技術者に質問する女子高校生=前橋市で
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