ビキニ「労災」請求棄却 被曝の元船員ら11人 (10/3)

ビキニ「労災」請求棄却 被曝の元船員ら11人
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50551540T01C19A0CR8000/
日経新聞 2019/10/3 16:57

1954年の米国による太平洋・ビキニ環礁での水爆実験で被曝(ひばく)したとされる高知県と宮城県の元船員ら11人が、事実上の「労災認定」となる船員保険の適用を求めている問題で、元船員らから不服申し立てを受けた国の社会保険審査会が全員の請求を棄却したことが3日、分かった。

〔写真〕記者会見する太平洋核被災支援センターの橋元陽一副代表(右)ら(3日午後、高知市)=共同

元船員らの支援者が同日、高知市で記者会見し明らかにした。審査会の裁決は9月30日付。被曝と健康被害との因果関係が認められないなどとしている。支援者らは裁決を不服として訴訟も検討する。

会見した太平洋核被災支援センターの橋元陽一副代表は「裁決に強く抗議する。今なお健康不安を抱えながら闘病生活を送る被災船員の人生を取り戻すためにこれからも全力を尽くす決意だ」と話した。

元船員や遺族は2016年、医療費や遺族一時金を求めて全国健康保険協会(協会けんぽ)に船員保険の適用を申請。認められず、厚生労働省の出先機関である地方厚生局の社会保険審査官に不服申し立て(審査請求)したが、18年7月に棄却された。同9月、上部機関に当たる社会保険審査会に再審査請求していた。〔共同〕 

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