NHK記者過労死「なぜ娘が…背景知りたい」 考える集会、東京で (10/6)

NHK記者過労死「なぜ娘が…背景知りたい」 考える集会、東京で
https://mainichi.jp/articles/20191006/k00/00m/040/159000c
毎日新聞2019年10月6日 20時56分(最終更新 10月6日 22時46分)

〔写真〕佐戸未和さんの仕事ぶりなどについて語る父守さん(中央)と母恵美子さん(右)=東京都渋谷区で2019年10月6日、小林祥晃撮影

 2013年に過労死したNHK記者の佐戸未和さん(当時31歳)をしのび、報道のあり方について考える集会「NHK記者の死が問いかけるもの」が6日、東京都内で開かれた。NHKの現役職員やメディア研究者ら約150人が参加。佐戸さんの両親も参加し「なぜ娘が過労死したのか、その背景をきちんと知りたい」などと述べ、娘の死やNHK側の説明に納得できない思いを率直に語った。

 17年10月4日にNHKが佐戸さんの過労死を公表して2年となったのを機に、有志らが主催。佐戸さんが大学生時代、ラジオ番組の制作体験に参加した際に指導した元TBSキャスターの下村健一さんらが進行役を務めた。

 集会では、佐戸さんが初任地の鹿児島局で、北朝鮮による拉致被害者家族をテーマに制作したドキュメンタリー番組を上映した後、佐戸さんの父守さん(68)と母恵美子さん(70)が思い出や現在の心境を語った。

 守さんは、佐戸さんが帰宅してから亡くなっているのが発見されるまで2日間かかったことについて「なぜ(職場で)誰も動かなかったのか。これは何なのだろうと思う」と語り、NHKの組織や働き方に対する疑問を投げかけた。恵美子さんは、過労死を考えるシンポジウムなどに積極的に参加している理由を「私たちのように悲しむ遺族を増やしてはいけないという思いで、声を上げている」と話した。

 佐戸さんは東京都庁を担当していた13年6〜7月、都議選と参院選の取材をほとんど休みなく続け、同月24日に自宅で急死。労基署は翌年、長時間労働による過労死として労災認定した。しかし、過労死の事実はその後も局内で周知されず、限られた同僚や上司しか知らないことに両親が危機感を持ち、NHK側と協議。17年10月にNHKが事実を公表した。【小林祥晃、屋代尚則】 

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