LINEやANAが続々開設も 企業主導型保育所が抱える問題点
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日刊ゲンダイ 公開日:2019/10/16 06:00 更新日:2019/10/16 06:00
〔写真〕見通し甘く定員割れも…(企業主導型保育所)/(C)共同通信社
幼児教育・保育の無償化で家計が助かっている子育て世帯は多いはず。出生率の向上と女性働き手の増加が狙いだが、同じような目的で内閣府が2016年から始めたのが「企業主導型保育所」だ。
こちらの方は少なからず問題がある。企業主導型保育所は、会社が自社の施設や敷地内などに従業員(一部は非従業員に開放)のための保育所を設け、格安料金で利用させるというもの。設置した企業には内閣府から補助金が出て、固定資産税や事業税の優遇というメリットもある。そのためLINEやヤフー、ANAなどの企業が続々と保育所を開設しており、一部には社員の福利厚生として利用料を無料にしている会社もある。
ところが、せっかく保育所を開設したものの、“育児のプロ”の経営ではないため保育の質が悪かったり、時間外の融通が利かなかったりで低利用になっているのが現実だ。またこれに幼保の無償化が追い打ちをかけ、会社の保育所に預けるメリット自体も薄れている。さらに全体の約1割の252施設が補助金を受け取っていながら、実際には開設していなかったという問題も。8000万円の補助金を不正に受け取ったとして逮捕される事件まで起きている。
何ともおマヌケな話だが、企業主導型保育所の“元祖”といえば、ヤクルト保育所。こちらは補助金もなかった45年前からあり、月額6000〜8000円程度で子供を預けることができる。幼保無償化ならヤクルト保育所のメリットは少なくなるが、その分といっては何だが、無償化の対象外となっている1〜2歳児の保育料の値下げとか、給食費の補助などはあるのか?
「これまで通り保育料は据え置きで、その代わりの給与アップなども特にありません」(東京ヤクルト販売・保育運営課)
1〜2歳児の保育料が格安なだけでもヤクルトレディーにとっては大助かりか。