連合構想、地方は困難=収益圧迫で企業の抵抗も−20年春闘 (10/25)

連合構想、地方は困難=収益圧迫で企業の抵抗も−20年春闘
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019102401197&g=eco
時事通信 2019年10月25日07時07分

 連合は2020年春闘で、最低賃金として時給1100円以上を目指す構想を打ち出した。ただ、19年度の全国の最低賃金は、最高が東京都の1013円に対し、最低の青森など15県は790円にとどまり、連合が掲げた目標とは隔たりが大きい。収益圧迫につながる企業の抵抗も予想され、実現は容易ではない。

【図解】全国の最低賃金(都道府県別)
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_seisaku-kouseiroudou-minimumwage-area

 厚生労働省の調査では、最低賃金改定の影響を受けた労働者の比率は18年度で13.8%。パートやアルバイトなど短時間労働者の時給は最低賃金近辺に張り付いており、最低賃金の引き上げに伴い19年度も増加傾向が継続する可能性がある。
求人情報会社アイデム(東京)の調査では、今年4〜7月の求人のうち東京都で46%、神奈川県では62%が10月の改定後に適用された最低賃金を下回っていた。特に、飲食や小売り、製造、ビル管理・警備などの業種で比率が高く、改定後の影響が大きいとみられる。
最低賃金の急上昇で企業が雇用抑制などに動けば、かえって労働者の所得や経済全体に悪影響を与えかねない。24日、記者会見した神津里季生連合会長は「一挙に到達できなくても、計画性を持って向かってもらいたい」と強調。まずは労使交渉を通じ、方向性を出していく考えだ。
 

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