過労死認定基準20年ぶり見直しへ 脳・心疾患、労働環境の変化に対応 (11/1)

過労死認定基準20年ぶり見直しへ 脳・心疾患、労働環境の変化に対応
https://mainichi.jp/articles/20191101/k00/00m/040/241000c
毎日新聞2019年11月1日 18時35分(最終更新 11月1日 18時35分)

〔写真〕厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影

 脳出血や心筋梗塞(こうそく)など脳・心臓疾患による過労死の労災認定基準を、厚生労働省が約20年ぶりに見直す。2020年度に有識者会議を設けて検討を始めることを、加藤勝信厚労相が1日の閣議後記者会見で明らかにした。うつ病など精神疾患による過労死の労災認定基準も、21年度から見直しに着手する予定だ。

 厚労省は18、19年度の2年間で、業務と発症との因果関係などの医学的知見の収集を進めている。前回01年の改定では初めて「長期にわたる疲労の蓄積が脳・心疾患の発症原因になる」との考え方が盛り込まれた。今回はそれを維持しつつ、発症のリスク要因や評価の方法などを、現代の労働環境の変化に即した内容に改める。

 一方、過労死認定には、労働時間のいわゆる「過労死ライン」があり、残業が「直近1カ月で100時間超」か「2〜6カ月間平均で月80時間超」を基準としている。過労死問題に取り組む弁護士らは「ハードルが高過ぎる」と批判しているが、厚労省内では「見直す根拠となる医学的知見は乏しい」との声が強い。【梅田啓祐】  

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