保育士ら「裏切られた気持ち」 世田谷自主運営 経営者から謝罪なく (12/17)

保育士ら「裏切られた気持ち」 世田谷自主運営 経営者から謝罪なく
https://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201912/CK2019121702000118.html
東京新聞 2019年12月17日

〔写真〕会見する保育士ら=世田谷区で

 運営会社が突然の閉鎖を告げ、保育士らが自主運営した世田谷区の保育施設で、保育士らが十六日、会見した。自主運営中は利用者が安心して通えるよう非公開にしていた施設名を「マム・クラブ三軒茶屋」と明らかにした。
会見したのは、保育士一人と保育職員二人、労働組合「総合サポートユニオン」(同区)の支部の介護・保育ユニオン共同代表を務める三浦かおりさん。
自主運営は十二月二日から十三日まで行い、定期的な利用者約三十人の預け先のめどがつき、終了した。
同施設の保育職員二人が加盟する同ユニオンは、自主運営に必要となる資金の寄付を募り、十四日現在で約二百四十五万円に達した。人件費や家賃などに使い、剰余金約百五十万円は同様の事態に備えるための基金とした。
会見では、閉鎖前の労働や保育環境について、賃金未払いや保育職員一人で二、三歳児七人を保育するなどの実態が報告された。保育士らは「自主運営は保護者に迷惑をかけるのでやらなければ、という思いだったが不安もあった」「子どもたちから安心して通えるいつもの場所が突然奪われ、経営者から表立った謝罪もないのは残念」「頑張ってきたのに裏切られた気持ち」などと話した。
親からは、職員への感謝のほか、認可保育園に入れずこうした施設に預けざるを得ない現実や、同様の事態が起きた場合の対応を求める声が寄せられたという。
同ユニオンでは二十二日午後一〜五時と二十三日午後五時〜九時、保育士労働相談ホットライン=電0120(333)774=を実施する。 (岩岡千景)
 

この記事を書いた人