私立高の30代教員が自殺、友人に「部活顧問」の多忙さこぼす 遺族が労災申請へ (12/19)

私立高の30代教員が自殺、友人に「部活顧問」の多忙さこぼす 遺族が労災申請へ
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2019年12月19日 19時52分 弁護士ドットコム

会見する亡くなった男性教諭の父親(12月19日、東京都内、弁護士ドットコム撮影)

東京都板橋区にある淑徳学園(淑徳中学校・高等学校)に勤務していた男性教諭(当時32)が今年9月に自殺していたことがわかった。遺族の代理人弁護士が12月19日、都内で記者会見して明らかにした。
自殺の背景には、部活動の顧問業務などで生じた残業やストレスがあったとして、今後、労災申請などを行う予定だという。
会見には亡くなった男性教諭の父親も出席し、「息子のような不幸が二度と起こらないような学校の労働管理体制が構築されることを願っている」と述べ、労働環境の整備を訴えた。

●多忙な部活動の顧問業務
亡くなった男性教諭は2018年4月から、1年間の有期雇用で物理の教員として勤務し、吹奏楽部の顧問を担当していた。
代理人によると、同校の吹奏楽部は、中学生と高校生が混在する形式で、座奏に加えてマーチングも行うなど活動が大規模なため、顧問の負荷は高かったという。
男性は2019年4月ごろから、長時間勤務や顧問業務の負担、心身の不調などについて、友人や同僚に伝えていたといい、自宅パソコンには労働時間が6月は260時間、7月は241時間などの記録が残っていた。
亡くなる直前の9月14日に文化祭をめぐる部活動のトラブルがあり、翌15日は文化祭だったにもかかわらず、職場に電話をかけて有給休暇を取得。18日に自殺を図り、22日に死亡した。
遺族代理人の川人博弁護士は「(調査を進める段階で)物理の教員として大変だったという話や個人的な悩みを抱えているなどの話は特に出てこなかった」といい、男性教諭の自殺は、主に部活動の顧問業務による過労・ストレスによるものではないかと話した。

●36協定がなく、残業代も一切未払いとの指摘
なお、この日、男性の遺族と同僚教員数名は、淑徳学園には残業などについての「36協定」がないとして、池袋労働基準監督署に協定未締結や残業代未払いも申告している。 

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