三菱電機の新入社員自殺、3年前も同じ寮で メモも残す
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朝日新聞デジタル 内藤尚志 2019年12月27日05時00分
写真・図版JR塚口駅から見える三菱電機の拠点。今年自殺した新入社員と、3年前に自殺した新入社員は、ともにこの拠点の一角で働いていた=兵庫県尼崎市
社員の自殺が相次ぐ三菱電機で、3年前に自殺した男性新入社員(当時25)と、今年8月に自殺した20代の男性新入社員が同じ社員寮に入っていた。どちらも、職場での上司とのやりとりを記したメモを残していた。遺族側は、三菱電機の再発防止策に不備があったとみて詳しい説明を求める構えだ。
3年前に自殺したのは、この年4月に入社した新入社員。通信機製作所(兵庫県尼崎市)に配属され、ソフトウェア開発を担当していた。同年11月、鉄道などを使って1時間ほどの距離にある兵庫県三田(さんだ)市の社員寮で自殺し、遺族が翌2017年9月に損害賠償を求めて同社を提訴した。今年自殺した社員も同製作所と同じ敷地内にある生産技術センターに配属され、同じ社員寮に入寮。寮の近くの公園で自ら命を絶った。
3年前に自殺した社員が書き残し、遺族側が17年9月の提訴時に公開したメモには、複数の上司や先輩が質問にまともに答えず、同僚の前で激しく非難したことなどが記されていた。「5年10年やってる先輩上司が非難しかしないことに絶望しました」「家族との別れがつらいですが、人格を否定してくる三菱で○○(先輩の名前)と一緒に働き続けるほうがツライので私は死を選びます」「私を死に追いやった関係者には罰を受けて欲しいです」とも書かれていた。「三菱は私のことを一生忘れないで欲しいです」との記述もあった。
今年自殺した社員の上司だった30代男性は自殺教唆の疑いで書類送検された。この上司から「次 同じ質問して答えられんかったら殺すからな」「お前が飛び降りるのにちょうどいい窓あるで、死んどいた方がいいんちゃう?」「自殺しろ」などと言われたと記したメモが残っていた。
遺族側代理人は今月18日の記者会見で「(遺族は)きちんと謝罪を受けていないし、納得できるような説明も受けていない」としたうえで、新入社員の自殺が繰り返されたことについて「法的責任を前提として説明を受けたいと思っている」と述べた。
三菱電機は「再発防止には取り組んだが、具体的な内容は、当局が捜査中のためコメントできない」(広報)としている。上司の書類送検が報じられた直後から、「ニクイねぇ!三菱」のセリフで知られる家電などのテレビCMの放映を中止している。
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