教育委員会における学校の働き方改革の取組状況…文科省調査
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2020/02/3(月) 16:15配信 リセマム
教育委員会における学校の働き方改革の取組状況…文科省調査
文部科学省
文部科学省は2020年1月31日、Webサイトに「2019年度教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査結果」を掲載した。教職員の勤務実態を把握する調査のほか、各教育委員会による好事例なども紹介している。
教職員の勤務実態の把握「勤務実態の具体の把握方法」
文部科学省は、2019年1月の中央教育審議会による「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」を踏まえ、2016年度から実施している「教育委員会における学校の業務改善のための取組状況調査」の抜本的な見直しを実施。今回発表された「教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況の調査結果」は、各教育委員会や学校における働き方改革の進捗状況を明確にし、市区町村別の公表等や優良事例の展開を通じて、働き方改革の取組を促すことを目的としたもの。
2019年度調査の基準日は2019年7月1日時点。対象は、47都道府県教育委員会、20指定都市教育委員会、1,721市区町村教育委員会・事務組合等の計1,788教育委員会等。教職員の勤務実態の把握、各取組みの実施状況、学校における取組みの好事例、国への要望事項の4項目について、各教育委員会が所管している各学校に対する取組状況を調査した。
教職員の勤務実態の把握では、域内の学校における「在校等時間」などの把握方法を尋ねると、都道府県の66.0%、政令市の75.0%、市区町村の47.4%が「ICカード、タイムカード、パソコンの使用時間の記録などによる客観的な方法で把握している」と回答。労働安全衛生法体系で求められている理想的な手法をとる教育委員会が半数以上だった。
ただし、客観的な方法で把握している市区町村(政令市を除く)の割合を都道府県別にみると、群馬県が97.1%、山口県が94.7%となっている一方で、鳥取県が5.3%、三重県が6.9%と10%以下の都道府県もあり、地域差が出ていることがわかる。また、北海道や東京都、神奈川県など25都道府県において、「在校等時間」などを把握していない市区町村(政令市を除く)が存在していた。
具体の取組状況では、5つの分野50の取組みについて調査。実施率8割以上となった取組みは、「部活動ガイドラインの実効性を担保するための取組み(各学校における部活動に係る活動方針の策定およびホームページでの公表、活動計画や活動実績を校長が確認)を行うなど、教職員の勤務時間を考慮した部活動となるよう各学校に促す」84.5%、「学校閉庁日の設定をする」95.7%、「支援が必要な児童生徒等・家庭への対応について、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、特別支援教育等の専門人材、日本語指導ができる支援員等の専門的な人材等の参画を図る」95.2%、「業務等の効率化のため、コピー機(カラー印刷・両面印刷可、ステープル機能付、ソート機能等)を各学校に整備する」81.2%があった。
50の取組みのうち、全国の各教育委員会に「在校等時間などの縮減効果が大きいと考える取組み」を5つ選択してもらったところ、1位は「部活動ガイドラインの実効性の担保」、2位は「学校閉庁日の設定」、3位は「ICTを活用(校務支援システム等の活用など)した事務作業の負担軽減」、4位は「留守番電話の設置やメールによる連絡対応の体制整備」、5位は「部活動への外部人材の参画」となった。直接的な影響が大きい取組みが、多くの票を得ている。
国への要望事項については、「教職員定数の改善」「外部人材の配置の拡充等」「ICT環境整備のための予算補助」「教育課程の取扱いの見直し」「学校向けの調査の削減」などがあがっていた。文部科学省は調査報告にて、各要望事項に対する今後の取組みを記載し、総合的に取組みを進めていく考えを示した。
また、来年度から全国すべての都道府県・市区町村において客観的な方法による勤務実態の把握が行われるよう、進捗状況などのフォローアップを実施。あわせて、事例などの情報発信や統合型校務支援システムの構築、来年度の教職員の加配の配分などの際に客観的な勤務実態の把握を前提条件にするなど、各教育委員会における取組みを促していくとした。
リセマム 黄金崎綾乃