正規社員が直面した非情な格差「給与は時給1000円のまま上がらないのに、職務内容のみ重くなっていく」 (2/10)

非正規社員が直面した非情な格差「給与は時給1000円のまま上がらないのに、職務内容のみ重くなっていく」
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2020.2.10 キャリコネ編集部

契約社員やパートタイマー、派遣社員などの雇用形態で働く「非正規雇用」。総務省が2020年1月に公表した労働力調査によると、昨年の非正規の職員・従業員数は2165万人で、前年に比べ45万人増加している。

2014年以降、6年連続で増加し続けている非正規雇用者だが、正規雇用者との待遇の差や給料の少なさなどが話題になることも多い。企業口コミサイト「キャリコネ」に寄せられた、非正規雇用に関する口コミを見てみよう。【参照元:キャリコネ】

■「非正規雇用で人件費を大幅に抑制して利益を生むといった印象が強い」

「入社当初は正社員雇用ばかりの会社でしたが、ここ最近、非正規雇用への依存度が高まり従業員の団結がなくなりました。同じ部署での協力体制も希薄で、非正規社員への要求が高くなりがちである」(その他、40代前半、男性、正社員、年収450万円)

「非正規雇用率が急激に上がり今や約四割に迫る。正社員と非正規社員の潜在的対立も目立つようになる。人件費圧縮を軸とした経費削減が得意でとにかく給与が上がらない」(ルートセールズ、30代後半、男性、正社員、年収500万円)

「非正規社員の数がとても多いと感じます(正規社員:非正規社員=2:8)。非正規雇用で人件費を大幅に抑制して利益を生むといった印象が強い。非正規社員が多いことで、必然的に正社員に大きな業務負担がかかります。非正規社員の退社までの期間は1〜2年くらいでしょうから、知識や技術の蓄積やノウハウの継承が出来るわけありません」(医療福祉関連、30代前半、男性、派遣社員、年収300万円)

「キャリコネ」に寄せられた投稿では、「非正規雇用が増えた」と感じている口コミが多く見られた。人件費の削減を目的に、正規雇用から非正規雇用の転用を進める企業や非正規雇用者の採用を増やす企業も増えている。

その結果、待遇の差などから正社員と非正規社員の対立が深まるケースが出てくる。「社員の仕事を押し付けられている」と感じる非正規雇用者がいる一方で、「非正規が多いことで正社員に負担がかかる」と感じている正社員もいる。

両者の溝が深まれば、業務で協力体制を取ることも難しくなるだろう。これは企業にとってもマイナスだ。

■「報酬はかなり低い」「待遇の差は歴然」正社員に転職した人も

中には、正社員との待遇差や先行きの不安を感じて退職したという体験談もある。

「社員と同等、あるいはそれ以上の業務があるが、やはり契約社員なので報酬はかなり低い。社員雇用制度を活用したくても現実は中々難しく、結局は時給Maxの非正規雇用社員のまま続けて行くしかない」(金融関連職、40代前半、女性、契約社員、年収220万円)

「正社員と、非正規雇用社員の仕事が非常に明確に分かれている。非正規雇用社員は単純作業で、毎日同じことの繰り返し。考えなくても良い仕事は全て非正社員任せで、仕事の面白みや広がりはなかった。非正規雇用社員の正確な業務がないと正社員はやっていけないにも関わらず、給与の差、待遇の差は歴然としていた」(財務・会計関連職、10代後半、女性、契約社員、年収300万円)

「非正規雇用に正社員並みの仕事内容を求める。給与は時給1000円程度のまま上がらないのに、職務内容のみ重くなっていく。正社員に契約社員やアルバイトが仕事を教えていたり、正社員の研修をアルバイトがしていたりと、正社員としての責任を果たそうという気概が感じられない。ここにいても成長出来ることが無いと感じたので退職した」(Web関連職、30代前半、女性、契約社員、年収250万円)

「非正規雇用では安定した生活を送る事が難しく、将来を考えて正規雇用の就職先を見つけ、退職しました」(その他、30代前半、男性、派遣社員、年収330万円)

正社員と同等の仕事をしても給料が時給制で低い、または上がらない。単純作業の繰り返しでやりがいがないなど、正規雇用と非正規雇用の違いを痛感している人が少なくない。このままでは未来がないと退職したという実体験も見られた。

あまりにも不公平な待遇差や、日々の張り合いを感じない業務で悩んでいる場合は、転職という道もあるだろう。

2020年4月からは大手企業で「同一労働同一賃金」がスタートする。非正規労働者の待遇改善のための取り組みだが、実際にどのように反映されるのかは未知数だ。非正規雇用者は働き方改革の状況をふまえながら、納得いく雇用形態を選択していく必要があるだろう。【参照元:キャリコネ】

 

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