未払い残業代7千万円、春日部市が全庁調査の結果発表 職員292人の2年分 予算内で抑えるよう調整 (2/11)

未払い残業代7千万円、春日部市が全庁調査の結果発表 職員292人の2年分 予算内で抑えるよう調整
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2020/2/11 08:45 (JST) ©株式会社埼玉新聞社

〔写真〕春日部市役所=埼玉県春日部市中央

 埼玉県の春日部市で職員に未払いの残業代があった問題で、市は10日、全庁調査の結果を発表した。全73課のうち、24課計292人に未払い残業が見つかり、過去2年間分の総額は約7085万円に上った。
市は昨年11月、生活支援課の職員40人に約1109万円の未払い残業代があったと発表。その後の全庁調査で、新たに別の23課でも250人超に約5976万円の未払い残業代が見つかった。
市では職員が残業する場合、事前命令や事後確認を踏まえ、「時間外勤務命令簿」を作成し、超過勤務手当てが支払われていた。調査によると、多くの課が割り当てられた予算内で残業代を抑えるよう、命令簿を調整していた。
最も未払い残業が多かったのは、本来適切な人事管理を指導するべき人事課だった。同課の未払い残業代は計約2443万円、最も多い主査で約328万円に上った。
報告書はこうした調整が行われた理由について、「予算の範囲内で執行すると認識していた」「超過勤務手当の補正予算が認められない」と担当者が誤った認識をしていたと指摘。また多くの課で、事前命令や事後報告が適切に行われていなかったことを挙げた。
新たに支払いの対象となった各課は命令簿とは別に、残業の実態を反映した集計表を作成していた。集計表がなかった部署や個人は、今回の調査対象に入らなかった。
この日開かれた市議会の全員協議会で、石川良三市長が減給10分の1、2カ月、種村隆久副市長が同1カ月を議会に提案する方針を明らかにした。
春日部市の未払い残業は2018年11月、労働組合の指摘で発覚。市は昨年4月、調査会を設置し、途中で弁護士を加えて調査を進めてきた。市は時効を迎えていない2年分の未払い残業代に遅延損害金を上乗せした額を算出。今後、補正予算を議会に提出し支払うとしている。 

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