昨年のお盆以来、9ヶ月ぶりに小豆島に帰省しています。2泊3日の慌ただしい日程で、八重葎の庭の草取りもしなければならないとあっては、ゆっくり過ごすわけにはいきません。それでも、海と山に染められた島の景色を眺めていると心が休まります。里山からは海まで届けとばかり、しきりにウグイスのコーラスが聞こえます。バードウイーク(5月10日から5月16日)から1週間経つとはいえ、いまは野鳥の子育ての季節です。
ツバメもこの時期が子育ての季節にあたります。そのせいでしょうか、普段は閉めている家の玄関を久しぶりに開け放した昨日、家の中にツバメが飛び込んできました。ツバメは窓を開けてもすぐには出て行かず、あちこち飛び回りながら、ときどき天井近くの梁に止まって様子を見ておりました。糞をされても困るので、長居はご遠慮いただきましたが、あとで見ると、心配したとおりあちこちに小さなな糞が落ちていました。
もう十数年前に、やはり小豆島の家にウグイスが飛び込んできて、捕まえたあと写真に撮り、逃がしたことがありました。ウグイスが人家に巣を作ることはないので、あのときはさまよい込んだに違いありません。今度のツバメもその可能性がなくもないと思っておりました。
しかし、さまよい込んだ可能性は、今日になって否定されました。まだ私が寝ていた早朝、妻が玄関を開けるとまたもやツバメが舞い込んできたのです。きっと昨日のツバメに違いありません。玄関の人の背丈ほどの高さにある照明器具の上に止まったあと、出て行きました。そればかりか、しばらくして、またまた入ってきたのです。これはもう巣作りのためとしか考えられません。
できることなら「よくいらっしゃいました。ぜひわが家で子育てをしてください」と歓迎したいところです。しかし、残念なことに明日は家を閉めて大阪に戻らなければなりません。そんな事情であなたに棲んでもらうことはできないのです。ごめんなさいね、ツバメさん。