「はやぶさ」とひらがなで書けば、2003年5月9日に打ち上げられ、小惑星「ITOKAWA」に到着し、2010年6月13日に地球へ帰還した、宇宙探査機を思い浮かべる人が多いでしょう。でも今日の休講脱線は、野鳥のハヤブサの話です。
ハヤブサは、Yachoo!オンライン図鑑によると雄38-45cm 雌46-51cmで、レッドリストでは絶滅危惧?類とされています。スピード、急降下などの飛行能力にたいへん優れていることから宇宙探査機の名前にもなったのだと思われます。
ついでにいうと、魚を捕獲する鷹として知られるミサゴは英語ではospreyともfish hawkとも言われますが、これも垂直的な急降下能力に優れていることから、騒音と事故の多さできらわれものの双発の米軍機「オスプレイ」の名にもなっています。
前置きと余談が長くなりましたが、先週末、久しぶりに淀川縁を歩きました。途中、河川敷の砂利道で何匹も目にしたのは、背中が土色になったトノサマバッタでした。
帰り道、モズの鳴き声が聞こえるので、淀川に注ぐ支流の橋の上から探していると、連れが川岸の樹上にタカらしき鳥を見つけました。それは双眼鏡で確かめる暇もなく飛び立ち、いったん近くに着地した後、川向こうに飛んでいきました。
それから30メートルほど先の残土置き場まで行ってみると、いました、いました。ハヤブサがいました。さっき見失ったタカにちがいありません。じっと双眼鏡で見ていると、残土の山から、グライダーのように、すうーと草原に舞い降りて、素早く何かを捕らえ、近くの大人の背丈ほどの盛り土の上に止まりました。
近づいて見ていると、足で獲物を押さえて何かを引き裂きながらしきりに食べています。それに熱中しているからか、数メートルまで近づいてもいっこうに飛び立つ気配はありません。こんなに近くでまじまじとハヤブサを見たのは初めてです。猛禽類に似ずかわいい目をしています。浅い茶色っぽい色からまだ幼鳥のようでした。
十分に観察したので歩き始めて振り返ってみると、ハヤブサはもういませんでした。主の去った捕食の現場にいくと、三角錐の上にあたるところにまだ肉片のついたバッタの前足が一本落ちていました。ほかに小鳥の羽根が2本落ちていましたが、同じハヤブサが食べたものかどうかは不明です。
ハヤブサをしっかり目に焼き付けた淀川縁の散策でした。