このごろ加齢のせいか、夜中にときどき悪夢にうなされて目が覚めることがあります。昨晩は、夢のなかで気づくと、何年後のことなのか、20XX年、大阪が維新政府の首都となり、「維新諸法度」が成立し公布されたことを、深夜テレビが一斉に報じていました。その悪夢が記憶に残っているうちに、ここに全17箇条を書き留めておきます。
なお、はじめは大阪の公務員のことかと思いましたが、どうやら大阪だけのことでも、公務員だけのことでもないらしいことがわかって恐ろしくなりました。
1.参議院を廃止し、首相公選制を導入し、憲法改正手続きを緩和して憲法を改正し、自衛隊を正式に軍隊とし、徴兵制を敷き、核兵器を保有する。
1.すべて国民は、国家元首にして陸海空軍を統帥する天皇を尊崇し、公の施設や学校における行事に限らず、家庭でも祝日のたびに日の丸を掲揚しなければならない。また、どこであれ、君が代は、直立不動の姿勢で斉唱しなければならない。口パクは厳重に禁止する。
1.日米安保体制を堅持しつつも、沖縄の基地負担を軽減するために、首都大阪をはじめ全国主要都市に米軍基地を移転する。
1.産業界の電力需要に応ずる必要があるかぎり、既存の原子力発電所の稼働は止めない。
1.国および地方自治体は、軍隊と警察を除く公務員の人員と人件費を大幅に削減するために、公務労働者を可能な限り正職員から、パート、アルバイト、派遣、請負およびボランティアの非正職員に置き換えなければならない。
1.労働者は、国家公務員、地方公務員、民間企業の従業員を問わず、労働組合を作ったり、団体交渉を行ったり、ストライキをしたりしてはならない。
1.労働者は、使用者から命じられた残業(時間外・休日労働)を拒否してはならず、また残業に対して賃金および割増賃金の支払いを求めてはならない。
1.労働者は、職場では入れ墨、派手な茶髪やひげやマニキュア、肌の過度の露出などをしてはならない。
1.政府と産業界は、財政赤字の解消と企業利益の拡大のため、公共部門と民間部門の別をとわず、労働者の賃金を大幅に引き下げなければならない。そのために、最低賃金を含むいっさいの賃金の引き上げを禁止する。
1.首相と首相が率いる政党を除くすべての有権者は、政治活動をしてはならない。ウェブ、ブログ、ツイッター、フェイスブック等による政府批判も首相以外はしてはならない。
1.利潤を生まない芸術や文化に対して、国や地方自治体は施設利用や補助金等で助成してはならない。
1.必要な情報のほとんどはインターネットで入手でき、また誰もが自由に図書を購入できるので、公共図書館の施設と予算は大幅に縮小する。
1.財政再建と緊縮予算のために、女性の社会参加と男女共同参画を推進する施設は、国と地方自治体が特別に必要と認めるものを除き全廃する。
1.財政再建と緊縮予算のために、高齢者や障害者のための公共交通機関や公共施設の無料・割引制度を改め、自己負担額を引き上げる。
1.生活保護制度は、現状の現金給付を止め、クーポン券の利用や生活用品を渡す現物支給を基本にする制度に改める。また、給付期間を限定し、稼働能力のある者は労働に従事することなく生活保護を受けることを厳しく禁止する。
1.国と地方自治体は、ギャンブルやカジノを大いに振興し、すべて国民は賭け事を愛好しなければならない。
1.すべて国民は、国の法律と地方自治体の条例に従わなければならない。教育と労働において命令と強制に従わない者は厳重に罰せられる。