海の日の7月16日(月)、東京の代々木公園で17万人規模の「さよなら原発」集会とデモがありました。昨夜は本ブログの管理人の1人として、NHKニュース、TBSニュース(URLのみ表示)、朝日新聞デジタル版の関連記事を紹介しました。
今朝、私が講読している朝日、日経、赤旗の3紙を見比べて、昨日の大集会の取扱いの違いに驚きました。赤旗の上空からの特大写真は、集会の規模と熱気を伝えて圧巻でした。朝日は、前夜のデジタル版に大きく出ていたので、今日の本紙でも大きなニュースとして扱っていると思い込んでいました。しかし、大阪本社版では最後の社会面に「脱原発訴え高ぶる市民」という見出しの写真入りの小さな記事が出ていただけです。
昨日のデジタル版では大きく報じながら、今日の本紙では小さく扱う朝日の編集意図は疑問です。このズレは、金曜日の官邸前デモをはじめとする最近の運動が積極的なさよなら原発=ゼロ原発に向かいつつことと、朝日がゆるやかで消極的な脱原発路線にとどまっていることとのズレを反映しているように思えます。それでも、今日の朝日が「天声人語」で「さよなら原発」の大集会を取り上げ、音楽家の坂本龍一さんの「福島のあと沈黙していることは野蛮だ」という壇上発言を紹介しているのは救いです。
呆れるのは日経です。今日の日経にはざっと見たかぎり、昨日の「さよなら原発」の大集会とデモの報道はありません。「福島・飯舘帰村まだ遠く」「大飯原発4号機で警報」(以上社会面)、「東電値上げ8%台へ」(経済・総合面)、「原発と自治体」(経済教室面)などの原発関係の記事があるにもかかわらず、反原発大集会は無視されています。社是が原発賛成であろうと、報道機関としての新聞の使命を考えると、他のメディアが「過去最大の反原発集会」と報じた大事件を完全に無視するのは理解できません。
ニューヨークタイムズのアジア太平洋版は、「東京で過去最大の反原発集会」という見出しのもとに、昨日の大集会を伝えています。主に経済情報を扱うBloomberg社の日本語デジタル版も、大集会を現場に取材し、大江健三郎氏の「政府のもくろみを打ち倒し原発の恐怖と侮辱から離れることができるまで活動を続ける」というスピーチを紹介しています。こうした海外メディアと比べても、原発問題に関する日経の報道姿勢は異常です。
追記1: 17日の毎日は、トップ記事ではありませんが、1面上段で16日の大集会の模様を大きな写真入りで伝えています。
追記2: 日経デジタル版(nikkei.com)は16日19時50分の配信で「脱原発10万人集会、坂本龍一さんら参加」と伝えていました。17日の本紙ではこの記事や関連記事は見当たりません。