第227回 NHKラジオにスタジオ出演し、過労死問題でコメントしました

6月21日、NHKラジオ第1放送「私も一言!夕方ニュース」にスタジオ出演しました。全国放送ですが、近畿、東海三県、九州などは別番組だったようです。「“過労死”“過労自殺”のない社会をつくるには」がテーマでした。

この日は、2012年度の労災補償状況に関する厚生労働省の発表がありました。さきの番組冒頭のニュースでも紹介されたように、過労死にかかわる脳・心臓疾患での労災認定は前年度より28増の338人(うち死亡123人)でした。また過労自殺にかかわる精神疾患での認定は、前年度1.5倍の475人(うち自殺・自殺未遂は93人)にのぼり、3年連続で過去最多を更新しました。

6月15日には「過労死110番」があったところでした。それに寄せられた以下のような相談事例がさきのラジオ番組でも読み上げられました。

◇夫が土日・祝日も休めず、午前2時〜3時の帰宅、2〜3日徹夜。食事もできず、顔色が悪く、痩せてきている。周りの社員も見て見ぬふりをしている。(男性・情報関係・妻からの相談)

◇娘は休みを月に1回しかとれず、毎日夜遅く、昼の休憩もない。1年目に過労で倒れ、小さなことで大泣きするなど情緒不安定になっている。(20代女性・教員、親からの相談)

◇息子が長時間労働でうつ病になっている。夜中にも呼び出されたりしていて、実際には月200時間以上の残業があるが、記録は100時間程度しかつけられていないよう。(20代男性・警察・父からの相談)

◇息子が自殺で亡くなった。出退勤の記録もなく、年休も取れず、「休職したい」と言っていた。遺族として過労死防止法制定の運動に関わっていきたい。(IT関係40代男性の母親からの相談)

◇入社後2年で自殺。亡くなる1年ほど目から気分が不安定で優れない、仕事を変わりたいと言っていた。震災後節電のころ残業が多くなり、自殺で亡くなる2〜3日前にも会社を辞めたいと言っていた。(20代男性・製造、親からの相談)

ある時期までは夫を過労死で亡くした妻からの相談が多かったのですが、上の例からもわかるように、今では息子や娘の精神疾患や過労自殺についての親からの相談が多くなっています。それだけ若い世代の労働者に過労とストレスによる健康障害が広がっているのです。

番組の途中にリスナーからメールで声が寄せれました。NHKの番組ホームページ出ているので、そのなかの就活学生の親からの声を紹介しておきます。ふるい分けるためか、内定を辞退させるためか。いずれにしても酷い企業もあったものです。こういう悪徳企業の横行を許してはなりません。そういう思いから、番組の最後では「過労死防止基本法」の早期制定を強く訴えました。

(東京都 40代 男性) 私の娘は大学4年で就活をしています。ある会社から内定をやっともらい喜んでいた矢先。娘から相談が、会社から通勤時間がもったいないので会社の近くに住むように、簿記の2級を取る、宅建の資格を取る、居酒屋でバイトをして人間関係を磨け、新人研修はスポンジの押し売りをやるなどと言われているというのです。私は愕然としました。学生の無知と就職難を良い事にこの様な会社があること自体ビックリしています。この様な会社を無くす事と不正な雇用の教育を義務教育時点で行なうべきではないでしょうか?

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