第275回 選挙関連業務での日雇い派遣の募集はどうなっているでしょうか

突然の師走総選挙で自治体は人手確保などの準備に大わらわと伝えられています。

民主党が圧勝した前々回の総選挙の投票日だった2009年8月30日のことです。本欄の第66回に「自治体の選挙業務に時給780円の日雇い派遣」という拙文を書きました。その後、2012年10月1日より改正労働者派遣法が施行され、30日以内の日雇派遣が原則禁止になりました。自民党が圧勝した前回の総選挙はこの改正施行後の2012年12月に行われました。

今回の総選挙でも自治体が日雇派遣に1日だけの投開票補助業務をさせることはできないのでしょうか。試しにネットを見てみると、自治体の投開票補助業務や報道機関の出口調査での「派遣大募集」の公告がたくさんありました。

自治体関係の派遣募集にはたいてい以下のような限定条件が付されています。この条件さえ合致すれば、投票日だけの日雇い派遣も許されるというのです。

1.60歳以上の方
2.昼間学生の方
3.副業として就業する場合は生業年収500万以上の方
4.世帯全体の年間収入は500万円以上でかつ自身は世帯の主たる生計者ではない方

年齢はともかく、年収をどうやって証明するのでしょうか。必ずしも所得証明書(納税証明書)を提出しなければならないということでもなさそうです。あるサイトには、証明書類の提示が困難な場合は、派遣会社所定の誓約書が必要となると出ています。

派遣に関するあるサイトには、派遣会社の「日雇いアルバイト」の面接に行ってきたという体験談が載っており、アルバイトは派遣という形で紹介されるとありました。こうなると、自治体が選挙の補助業務に「派遣」ではなく「アルバイト」を募集したとしても、そのアルバイトが実は派遣だったということも十分ありえます。そうなると上記の4条件もほとんど意味をなしません。

次の例は派遣会社を通した報道機関の募集のようですが、香川県下の各投票所の出口調査の大募集を見ると、「請負派遣の為派遣法改正による単発業務(日雇い派遣)の就業制限は適用されません。どなたも応募大歓迎の求人です!!」とありました。いろんな抜け道があるものです。

時給は地方によって違うとは言え、800円から1000円あたりが多いようです。2009年と比べると少し上がっていると言えるでしょう。時間帯は6時30分ないし7時30分から16時30分が多いようです。なかには6時30分から18時30分というのもあります。朝が早いのは楽ではありません。交通費が出ているかのも気になるところです

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