新型肺炎、春闘にも影響 集会中止、業績も圧迫
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時事通信 2020年02月20日07時14分
決起集会で気勢を上げる連合の神津里季生会長(中央)ら=2019年2月4日、東京都千代田区
新型肺炎の拡大が2020年春闘の行方に影響を及ぼし始めた。連合は集団感染のリスクを避けるため、3月3日に予定していた大規模な決起集会の開催を中止。企業業績の先行きに不透明感が広がる中、経営側は賃上げに慎重姿勢を強めており、例年以上に厳しい交渉が予想される。
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連合は傘下の労働組合員ら1000人以上が参加する集会を計画していたが、「ホールに大勢の人が密集するのは難しい」(幹部)と判断した。大手企業の集中回答日となる3月11日に向けて交渉が佳境に入る前に組合員の気勢を上げるはずだった。代替策としてインターネット配信の活用などを検討しているという。
また、電機メーカーの労組で構成する電機連合(組合員約57万人)は、日立製作所やパナソニックなど主要13組合が交渉方針を共同で決める委員会の参加人数を絞り込む方針。通常は約200人が集まるが、中堅・中小労組の代表者にはネットで会議の模様を見てもらうことで参加者は60人程度になるとしている。電機連合は「委員会の運営に支障が出ないようにしたい」としている。
20年春闘は自動車、電機大手が今月13日までに要求書を経営側に提出し、本格スタート。米中貿易摩擦のあおりで世界経済が減速する中、賃上げの勢いを維持できるのかが焦点だ。昨年10月の消費税増税の影響に加え、新型肺炎による生産活動や消費の下押しリスクも強まり、賃上げ環境は「昨年より厳しくなっている」(日立の中畑英信執行役専務)。
ただ、電機連合の野中孝泰中央執行委員長は「(中国などで)サプライチェーン(部品供給網)の混乱が長引けば、業績は厳しくなるが、労働者への公正な分配ができていないため、賃金改善を強く求めていく」と訴える。