帝京長岡高校の不当解雇を認めて、賃金払いで仮処分決定(2020.9.19)

帝京長岡高校が、組合員の教員に対して、20年3月、懲戒解雇をしました。これに対して、地裁に仮処分の申し立てが行われていました。これに対して、新潟地裁長岡支部が賃金払いの仮処分決定をしました。
この事件については、毎日新聞が、仮処分申し立て前に報道をしていました(4月24日付)。
既に、労働組合活動を嫌った学校側の対応について、県労働委が、17年11月、労働組合法が禁じる「不当労働行為」に当たると認定し、①懲戒処分の撤回、②女子バレーボール部監督への復帰、③吉田さんや組合に謝罪文を渡す、とする命令を出していました。また、中労委も、処分の撤回などの和解勧告をしていたのに、学校側は3月末で解雇していました。
なお、4月24日付の毎日新聞に、専門家としての私のコメントが掲載されています。

帝京長岡高教員 解雇無効は認定
NHK 09月19日 07時07分

帝京長岡高校に勤務していた男性教諭が、学校から解雇されたのは、不当だなどとして、解雇の無効などを求める仮処分を申し立てたのに対し、新潟地方裁判所長岡支部は、解雇は解雇権の乱用に当たり無効だとする一方、地位保全の仮処分については認めませんでした。

帝京長岡高校で数学の教諭として勤務していた吉田大さんは、授業中に生徒に対して不適切な発言を繰り返したことなどを理由に、ことし3月に解雇されたことについて、「学校側が主張する生徒への不適切な発言には事実と異なる点が多い」などとして、ことし5月、解雇の無効や賃金の仮払いを求める仮処分を新潟地方裁判所長岡支部に申し立てました。
これについて裁判所は、学校側が解雇の理由としていた生徒への不適切な発言について「処分理由とされた事実関係に疑問があり、にわかに断定することができない。今回の解雇は解雇権の乱用に当たる」などとして解雇は無効だとし、学校側に対して今後、教諭側が起こす予定の民事裁判の判決が出るまで賃金の一部を仮払いするよう命じる決定を出しました。
一方で、学校側との労働契約上の地位を保全する仮処分については、「著しい損害などを避けるために必要だとするほどの事実や、証拠は見当たらない」などとして認めませんでした。

組合員の解雇「不当」 帝京長岡高に賃金仮払い命令 地裁支部決定 /新潟

毎日新聞2020年9月19日 地方版 新潟県

 帝京長岡高校元教諭の吉田大さん(37)が、自身が労働組合員であることを理由に運営する学校法人帝京蒼柴学園に不当に解雇されたとして、教員としての地位確認と賃金の仮払いを求めた仮処分申し立てで、新潟地裁長岡支部は18日、解雇は不当だとして学園側に賃金の仮払いを命じる決定を出した。地位確認は必要性がない…




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