若者と日本の未来を危うくさせる就職難と
ブラック企業をなくすために声を上げよう
学生に明日の職場を保障できない日本に未来はあるのか、深刻な就職問題と無法なブラック企業をどうすればなくすことができるのか、本日のつどいは、そうしたことをみなさんと考える機会となりました。
厚生労働省と文部科学省の合同調査によると、2012年3月卒業予定者の10月1日時点の就職内定率(就職希望者に占める内定者の割合)は、大学59.9%、短期大学(女子学生のみ)22.7%、高等専門学校(男子学生のみ)93.9%、専修学校(専門課程)40.2%でした。また他の調査では高校生は41.5%(9月末現在)でした。前年度よりわずかに改善されていますが、過去最悪に近い状態が続いていることには変わりありません。また、男女とも内定率が低迷するなかで、女子は男子以上に苦戦を強いられています。これは性別格差の拡大と生涯通じた男女差別につながる点で許しがたいものです。
就職希望者の多くは、未来に希望を抱きながらも、仕事に就けないまま、いきなり「失業」状態を余儀なくされます。そうした残酷な事態が長年にわたって若い世代の心と日本社会を蝕み、学生の就職うつや就活自殺が広がっています。そのうえ、正社員として就職できても、いたるところで、残業代を払わない、パワハラで「自主退職」に追い込む、過労死するまで働かせる、といったような労基法無視の「ブラック企業」がまかり通っています。
本日のつどいを機会に、こうした現実を労働者全体と社会の重大な問題として捉えなおし、少しでも改善していくために議論し、行動していこうではありませんか。就職難に苦しむ学生や苛酷な働き方に悲鳴を上げる若者を励まし、そうした事態を生み出している政府の無策と経営者の利益第一主義に対して批判を高めていこうではありませんか。
政府の役割は決定的に重要です。経済界だけでなく、国や自治体までも雇用削減競争に走り、パート、アルバイト、派遣、期間社員などの非正規雇用にシフトしています。長期にわたる新卒採用の抑制を止め、既卒者を含めまともな雇用を確保することは大企業の社会的責任です。政府は、国や自治体による雇用創出に有効な施策を講ずるとともに、フランスやドイツのように企業に雇用拡大を法律的に義務づけ、かつサービス残業をなくし新規雇用を増やすなどしてワークシェアリングを進めるべきです。
We Are the 99%、「1%の大金持ちが支配し、99%が犠牲になっていいのか」とウォール街で若者が立ち上がり、日本の学生・青年も、貧困と格差に反対する世界の流れに連帯して「若者の使い捨て労働はやめろ」の要求を掲げ、連帯を広げ始めています。
さようなら就職難!さようならブラック企業!を第15回つどいの合言葉に、就職難の解消とまともな働き方の実現のために、学生、労働者、市民が手を取り合って、声を上げていきましょう。
未来は間違いなく若者のものなのですから。
2011年12月14日
「働き方ネット大阪」第15回つどい参加者一同