各地の原子力発電所で断層の調査をしている国の原子力規制委員会の専門家会議は、青森県の東通原発について、「敷地内の断層は活断層の可能性が高い」とする報告書の案を18日の会合で示す方針です。
報告書の案が示されるのは福井県の敦賀原発に次いで2例目で、東通原発は、今後耐震対策の見直しを迫られると、当面運転が再開できなくなる可能性があります。
原子力規制委員会の島崎邦彦委員は、学会から推薦された専門家と共に、国内で唯一運転中の福井県の大飯原発を含む3か所で断層の調査を行っています。
このうち、東通原発の断層を評価する会合が18日に開かれ、ここで示される報告書の案では、敷地内の断層2本について、周辺の火山灰の分析から、繰り返し活動しているなどとし、「耐震性を考えなければならない活断層の可能性が高い」としています。
また、東北電力が、「断層周辺のずれや亀裂は地層が地下水によって膨らんで起きた」と説明していることについて、根拠が乏しいとしています。
そのうえで、東北電力の調査は不十分で、断層の詳細な検証や広域的に調べることが必要だとまとめています。
専門家会議は今後、別の専門家の意見も聞いたうえで報告書を取りまとめ、規制委員会に提出する予定で、規制委員会の判断によっては東通原発は耐震対策の見直しを迫られ、当面運転が再開できなくなる可能性があります。
「活断層の可能性が高い」という報告書の案が示されるのは、敦賀原発に次いで2例目です。
規制委員会の専門家会議は、石川県の志賀原発や福井県の美浜原発など3か所でも調査を行うことにしています。