しんぶん赤旗 2014年1月18日
厚生労働省は17日、企業が派遣労働者を受け入れる期間の上限をなくし、専門業務と一般業務の区分を撤廃するなどとした報告書案を労働政策審議会の労働力需給制度部会に示しました。今月末に開催予定の同部会で建議がねらわれる緊迫した状況になっています。政府は労政審の建議をふまえ、通常国会に派遣法改悪案を提出する方針です。
報告書案は、昨年12月に示された骨子案をほぼふまえた内容です。
新たに加わった内容は、企業が3年を超えて派遣労働者を受け入れる際、労働組合などからの意見聴取にあたって資料を提供することや、前回の法改定で原則禁止された日雇い派遣を法改正によらずに実施できる見直しを検討することなどです。
日雇い派遣は現在、指定された業務、生業(なりわい)収入500万円以上の人の副業、世帯収入が500万円以上の人で主たる生計者以外の人などが例外として認められています。報告書案は年収要件の見直しを明記しており、拡大を打ち出しました。
部会で労働者委員は、「この形のままでは賛成することはできない。臨時的・一時的という原則の実効性をどう確保するのか」(連合・新谷信幸総合労働局長)と批判。「全体として反対であり、同意できない。意見聴取では労働者代表などが反対しても、企業が説明すれば永続的に派遣を使い続けられる。臨時的・一時的という原則と矛盾しているといわざるを得ない」(全建総連・清水謙一書記次長)と主張しました。