契約社員を60歳まで雇用へ 三菱東京UFJ銀

朝日デジタル 2014年7月25日

 三菱東京UFJ銀行は来年4月から、3年を超えて働いた契約社員が定年の60歳まで働ける制度を導入する。現在、契約社員は6カ月や1年ごとに契約を更新するが、希望に応じて定年まで無期限で契約する。雇用環境の改善で人手が不足しつつあるなか、契約社員の待遇を改善し、人材確保につなげる狙いだ。

 三菱東京UFJ銀の従業員4万4900人のうち、契約社員は1万1400人いる。多くは女性で、支店の窓口業務や事務を担当している。このうち9割は来年4月時点で勤続3年超となる。全員が希望すれば1万人以上が無期契約に切り替わる。大手企業でのこうした動きはまだ珍しい。

 契約社員を巡っては、昨年4月施行の改正労働契約法で、企業は5年を超えて働いた契約社員について、2018年4月以降、希望に応じて無期契約に切り替えることが義務づけられた。三菱東京UFJ銀は、同法の条件より前倒しで、より短い勤続年数の契約社員でも無期契約にする。

 このほか、契約社員に対しては新たに、3年間の休職制度や、有給休暇の繰り越しなども認める。こうした待遇改善でも、給与体系は大きく変えないため、人件費は増えない見通し。

 今後、労働組合との協議を続けて、8月に正式決定する。三菱東京UFJ銀では今年3月、契約社員が正社員と同じ労働組合に加入できるようになった。(笹井継夫)

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