経団連: 榊原会長「賃上げ一歩踏み出す。前向きの姿勢を」

毎日新聞 2015年01月01日 07時00分(最終更新 01月01日 09時57分)

榊原定征・経団連会長=武市公孝撮影(省略)

 ◇「15年はデフレ脱却実現、企業の積極策に期待」

 経団連の榊原定征会長は毎日新聞などとのインタビューで、1月中旬にまとめる今春闘の経営側の交渉方針である「経営労働政策委員会報告」(経労委報告)で、「今までよりも賃上げについては一歩踏み出す。前向きの姿勢を打ち出す」との考えを改めて示した。また、2015年4月に経団連のワシントン事務所を09年以来、6年ぶりに再開するとともに、秋には同年6月以来の訪米ミッションを派遣することを明らかにした。

 榊原会長は、「15年はデフレ脱却を確実に実現し、経済再生に道筋をつける年にしたい」と述べ、政官民がそれぞれの立場で政策を総動員することが必要と指摘。その上で、収益を上げた企業がベースアップを含めて積極的な対応をとるよう期待していることを強調した。

 また、民間外交にも力を入れる方針を表明。4月に経団連のワシントン事務所を再開する。榊原会長は「日米は政治経済で一番大事なパートナーだが、かつてに比べて交流が少し細ってきている印象がある」とし、米政府機関だけでなく日本企業が進出している地方も回って、州知事や地方議員と交流を深める意向も示した。

 さらに北京とロンドンにも経団連の代表を常駐させる準備を進めているほか、インドネシアやブラジル訪問、中韓との交流促進にも取り組む考えを示した。【川俣友宏】

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