都教育委員会は8日、都内公立学校の教職員を対象にした「学校における働き方改革推進プラン」を策定した。一般企業などの過労死ライン(残業月80時間)に相当する週60時間以上の勤務をする教員を「ゼロ」にすることを、当面の目標に設定。都教委が直接指示できる都立学校の教員に対しては、平日の勤務時間を「11時間以内」にすることなどを盛り込んだ。
プラン策定に当たり、都教委は昨年6〜7月、都内の105校を抽出して勤務実態を調査。回答のあった3380人のうち、小学校37・4%▽中学校68・2%▽高校31・9%▽特別支援学校43・5%−−が過労死ラインに達した。過労死ラインを超えた教員が、範囲内の教員に比べてどんな業務に多くの時間を要していたかを分析したところ、小学校では「成績処理」、中学校と高校では「部活動・クラブ活動」であることも分かった。
このためプランには、都立学校の教員を念頭に、土曜、日曜はどちらか必ず休養▽成績処理などのICT(情報通信技術)化▽動画の活用による研修センターでの研修回数削減▽部活動運営のあり方についてのガイドライン作成−−などの取り組みを列挙。各区市町村教委に対しても、働き方改革の実施計画を2018年度中に策定するよう働きかける。
中学、高校教員の大きな負担になっている部活動指導については、外部の「部活動指導員」を全都立高に配置し、区市町村教委にも配置のための支援(費用を3分の1補助)を実施する。都は18年度予算案に、計681人分の部活動指導員配置費用約7億円を計上した。【芳賀竜也】