公務災害  県認定 中学教諭が過労死か 直前残業月115時間/大分

毎日新聞2017年6月17日 地方版

https://mainichi.jp/articles/20170617/ddl/k44/040/358000c

 長時間の時間外労働をし、授業中に倒れ、その後亡くなった県東部の公立中学校の女性教諭=当時46歳=について、地方公務員災害補償基金県支部(支部長・広瀬勝貞知事)が12日付で公務災害と認定したことが16日分かった。県教職員組合によると、教諭は勤務実態をパソコンに記録。同僚に対し「私に何かあったらデータを残しているから見て」と話していたという。
 県と地元の教育委員会によると、女性教諭は2014年7月7日の授業中、頭痛を訴えて意識を失い、約2カ月半後の9月26日に亡くなった。国語教諭でバレー部も指導。小中連携の一環として小学校でも授業を受け持っていた。倒れる直前の6月の時間外勤務は約115時間。直前3カ月も約110時間で、過労死ラインとされる月100時間を上回る状態が続いていた。
 地元教委の教育長は「公務災害ということは過労死と受け止める」とし、「校長に先生と面談して時間外労働を減らすよう話し合ってもらっている」と説明する。現在、部活動は水、日曜日を原則休みにしているという。

県教組によると、教員の公務災害死認定は2000年ごろに3件相次いだが、今回はそれ以来。「認定は良かったが、本人は戻らず、喜べない。同じことを繰り返さないよう、働き方の見直しにつなげていきたい」と話している。【池内敬芳】

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