全労連 第23回参議院選挙の結果について(談話)

7月21日投票の第23回参議院選挙で、自民党は改選議席の過半数をこえる65議席を獲得した。連立政権を組む公明党とあわせ、参議院でも安定多数を得る結果となった。
今回の参議院選挙では、雇用破壊や社会保障解体を進める「アベノミクス」の評価が争点となったが、株価の高騰や円安が続くもとで、批判を集中させた結果にはならなかった。
憲法改正の発議要件をさだめる第96条改憲も争点となったが、要件緩和に積極的な政党が非改選とあわせても3分の2以上の議席を確保できず、改憲策動に一定の歯止めをかける結果となった。

政党別には、民主党が衆議院選挙に続き議席を大きく後退させ、二大政党制の破たんを明らかにした。総選挙で躍進した日本維新の会は、選挙区の議席獲得が2議席にとどまり、比例代表とあわせても8議席と、失速状況を鮮明にした。マスコミなどが「第三極」と持ち上げた政党が、改憲や構造改革の推進勢力だと国民に見抜かれた結果である。
日本共産党は、改選議席を大きく上回る8議席を得て、非改選議席とあわせ単独法案提出権を獲得した。15年ぶりに大都市部の複数選挙区で議席を獲得したことに象徴されるように、「アベノミクス」がくらし破壊の政策であることやブラック企業の雇用破壊の現状を告発し、原発再稼働反対の姿勢を明確にしたことなどが、自公政権の悪政を阻止する政治勢力として国民の期待を集めた結果だと言える。

参議院選挙の投票率は、総選挙以降の低下傾向が続き、52%程度にとどまる見込みである。「一人区」が31選挙区もあるという小選挙区状況のもとでの多党乱立状況と、公約破りを繰り返した民主党への批判が、低投票率と自民党の圧勝の大きな要因であることは総選挙と変わらない。そのことからしても、参議院選挙の結果は、自民党が掲げた改憲や経済成長を口実した労働法制改悪や原発再稼働と原発輸出、消費税増税の一方で企業投資減税実施などの「アベノミクス」に、国民が白紙委任を与えたものではない。

全労連は、今回の参議院選挙を、悪化し続ける労働者のくらしと雇用を守るたたかいの場と位置付けて取り組んだ。原発再稼働反対、TPP参加反対などの国民世論と固く結び、要求前進をめざして選挙闘争を進めてきた。
選挙結果は、求めたものとはかい離している。しかし、全労連に 参加する労働者、労働組合の奮闘は、巨額な内部留保をため込む大企業中心の経済政策への批判を高め、労働者・国民のふところをあたためる政治の必要性と、くらしを直撃する消費税増税阻止の声を強め、改憲反対の世論と運動を広げた。
その到達点を確信に、安倍自公政権の悪政推進に真正面から異議を申し立て、憲法をいかして平和、くらし、雇用を守るために、総力をあげてたたかう決意を表明する。

                                2013年7月22日
                                                                               全国労働組合総連合      
                                                                               事務局長  小 田 川 義 和

この記事を書いた人