2019年8月23日発生 三菱電機・新入社員いじめ自死事件遺族コメント

2019年8月23日発生
三菱電機・新入社員いじめ自死事件遺族コメント

 私達家族は息子の死を現実に受け止めることが出来ず、未だ苦しい思いをしております。

 息子は小・中高・大学と、手を抜いたり逃げたりすることなくコツコンツと努力ができる子でした。

 部活は運動部に所属しており、帰宅が夜遅くになっても「お腹一杯になると眠くなってしまう」からと夕飯は後にして、その日の勉強を優先していたことを思い出します。弱音を吐かず正義感の強い子でした。

 三菱電機に入社して数ヶ月、それも配属後2ヶ月に満たない新人に「殺すからな」や「自殺しろ」等という言葉を投げかけるとは、どのような教育指導をされていたのでしょう。わからないことを新人にわかりやすく指導するのも教育係の役割ではないのでしょうか?
 専門的なことは私達にはわかりません。ですが、息子の仕事に関するノートやたくさんのメモを見るといろんな思いが浮かび胸が張り裂けそうです。

 亡くなる前、今年のお盆休みに息子は実家に帰省しました。「初めての賞与が入ったから家族にご飯をご馳走したい。」と言って焼肉に連れて行ってくれたのです。
 みんなでご飯を食べた後、息子が私達に言いました。「大学に行かせてくれてありがとう」と。
 家族だけでなく友人達など周りに気遣いができる優しい息子でした。
 帰省時には気丈に振舞っていたのか普段と変わらない様子でしたが、今になって思えば気になる素振りがいくつかあり、それを気づいてやれなかったこと、あの時に何かできることがあったはずだと様々な事が悔やんでも悔やみきれません。

 いまだに息子はどこかで生きていて年末には「ただいま!」と言って帰ってくるような気がしてなりません。

 三菱電機の私たちへの対応は、誠意があるとは言い難く、徹底した情報続制・管理がされている感じを受けました。
 過去に教育指導員として同様の暴言をし会社から注意を受けている者が、再度教育指導員になったのはなぜでしょうか。本来であればそのような前例のある者を教育担当にするでしょうか。
 このような理解し難い会社の対応には疑問と怒りしか浮かびません。
未然に防ぐことができるのに、そういった環境を作り上げた会社にも大きな責任があるのではないでしょうか。
 これまでの対応を見る限りでは、三菱電機に反省の色はみられえず保身に全力を注いでいるように感じます。
 今後も同じしような事例が起きそうで心配でなりません。
 息子もこういったことが二度と起きないことを望んでいると思います。
 こういった事例が続く三菱電機には、息子の死ときちんと向き合っていただき、どうか私たちのような悲しいできごとが二度と起こらないようにしてほしいと切に望みます。

2019/12/18 遺族一同



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