「これ以上減りようがない」中韓から入国制限、観光痛手 (3/7)

「これ以上減りようがない」中韓から入国制限、観光痛手
https://www.asahi.com/articles/ASN367FTLN36PTIL02H.html
朝日新聞 森岡みづほ、川田惇史、武田肇 竹下由佳、太田成美 2020年3月7日 10時00分

〔写真〕人影のまばらな関西空港第1ターミナルの国際線出発ロビーを、防護服風の服を着て歩く利用者=2020年3月6日、関空、川田惇史撮影

中国、韓国からの入国者には2週間待機してもらい、ビザも無効に――。新型コロナウイルス対策として政府が打ち出した措置は、すでに苦境にあえぐ観光地にとってさらなる痛手となりかねない。仕事などで日韓を行き来する人たちからも「そこまで必要なのか」と疑問の声が上がる。

 6日午後、大阪・ミナミの心斎橋筋商店街は休校中とみられる中高生らの姿が目立ち、外国人観光客はまばらだった。商店街振興組合によると、新型コロナウイルスの感染が拡大してから利用客は半減。新たな入国制限で「少ないながらもいた中国人や韓国人観光客も来なくなる」と担当者は話す。

 ミナミの繁華街・道頓堀のドラッグストアも客は数えるほど。「見ての通りがらがらです」と男性社員が力なく言う。「お客さんはもう減るところまで減った。入国制限しても減りようがない」。道頓堀商店会によると、観光客は以前の10分の1ほどに減ったという。北辻稔事務局長は「日韓関係の悪化で減っていた韓国人観光客が、この数カ月で戻ってきていた。入国制限でまた減ると思う」と心配する。

 関西空港は、すでにアジア方面の便で欠航が相次ぐ。関空を運営する関西エアポートによると、2日現在、中国便が85%の週523便、韓国便が16%の週38便、台湾便が53%の週71便欠航している。出国ロビーで韓国・ソウル行きの便への搭乗を待っていた韓国人の男性(27)は、韓国からの入国制限の報道を見て1週間の予定だった関西旅行を3日で切り上げたという。「韓国側もいつ同じような制限をするかもわからず、兵庫県への旅行は諦めた」

 上海に帰る母親を見送りに来ていた中国人の女性(30)=大阪市中央区=は、インターネット通販で買ったという防護服風の服を着て空港を訪れた。「ビザの効力停止など発表される対策が急で驚いた。中国の友人にもしばらく会えなくなりそうだ」と話した。

■入国制限「聞き間違えかと思う…

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