看護師の特定行為、現実と乖離 給与上がらず研修も自腹 (3/8)

「特定行為」看護師、2% 医師の診療補助 厚労省目標比
https://www.asahi.com/articles/DA3S14394963.html?iref=pc_ss_date
朝日新聞 2020年3月9日 5時00分

〔写真〕特定行為の研修修了生数の推移

 看護師が医療行為の一部を医師に代わってする「特定行為」が始まって5年。厚生労働省は2025年までに10万人以上を養成したいというが、今年3月末で目標の約2%、2400人程度にとどまる見込みだ。看護師が行為をすることへの不安が医療機関などにあり、研修負担が重いことがある。このままだと地域医療体制への…


看護師の特定行為、現実と乖離 給与上がらず研修も自腹
https://www.asahi.com/articles/ASN385DNSN2XPTJB019.html
朝日新聞 山中由睦 2020年3月8日 23時09分

 地域医療を支える「切り札」として期待されている看護師の特定行為だが、手掛けることのできる看護師はそう多くない。理想と現実が乖離(かいり)しているのは、なぜか。
大阪府吹田市のマンション。市内の「協和訪問看護ステーション」の看護師である畑中恵子さん(50)が、ベッドに寝たきりの男性(85)に歩み寄った。
畑中さんは男性の胃に取り付けられている管を抜き新しい管に交換。お茶を使い、きちんと胃に飲食物が入り込むかも確かめた。手際よく約10分で終えた。

〔写真〕患者の胃ろうで使う管を交換する看護師の畑中恵子さん=大阪府吹田市

 男性は14年前にくも膜下出血で倒れ、体が不自由になった。4年前からは口から飲食できなくなり、胃ろうで栄養をとる。汚れた管を医師に交換してもらうため、タクシーで15分ほどの病院に長らく通っていた。
畑中さんは月1、2回男性宅を訪れ、男性の痰(たん)の吸引や排便処理、服薬指導などをしてきた。昨年5月からは、管も交換するようになった。男性の妻(81)は「負担がかなり減った。普段からみてくれる看護師さんに交換してもらえる方が安心できる」と話した。

しかし特定行為は定着していません。その背景を探りました。
医師ではない畑中さんが管を交…

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