■新型コロナ対応の非常会議(3月4日)
3月2日(月)、ローマの民主党本部で、2日後(4日)の政府との会合前に、3大労組代表が参加して、意見交換をしました。
政府与党側は、コロナウイルスの経済的影響に対処するために360億ユーロの予算を当てる計画を示しました。これに対して、CGILのランディーに書記長は、「成長と労働について労働組合と話し合おう」とする政府の姿勢を歓迎しました。そして、政府が考えている非常財政投入については、その予算額は良いとしても、「緊急事態」論理だけに限定せず、長期的な観点をもつこと、とくに、「全国のすべての労働者の雇用安定と所得支援のための措置に使われるべきだ」と要求しました。
そして、3月4日(水)に、ローマの首相官邸(キジ宮殿)で、3大労組の代表と、コンテ首相や政府幹部とのコロナウイルス対応非常会議が開催されました。CGILのランディーニ、UILのバルバガルロ、CISLのファーランの3人の書記長が出席しました。
これらの会議で、CGILが要求した主な項目は次の通りです。
(1) 非常事態期間中は、あらゆる形態の解雇を禁止すること
(2) 社会保険料と税金の軽減などの措置は、解雇を行わない企業を対象とすること
(3) 公共部門における新規人材拡充と、公共医療の強化のための措置をとること
(4) 操業中断時の賃金を保障する「社会的緩衝措置(Ammortizatori Sociali)」を事業場規模や雇用形態に関わらず、すべての労働者に拡大適用すること
(5) 長期的観点で、生産的部門に投資を続けること
CGILは、「国に展望を与えるために労働者を保護すること」が重要であるという立場から、「社会的緩衝措置」と呼ばれる「所得保障基金」と「連帯基金」の適用範囲をすべての事業場の労働者、非正規雇用労働者にまで広く拡大することを強く要求しました。※
※「社会的緩衝措置」については、文末の説明参照。
そして、労働側の要望とともに、イタリア政府は、経営者側の要望も聞き、数日間をかけて、対策のための法令施行前に一連の技術会議が開催されました。
【参考情報】
□2020.3.2 Rassegna Italiana、2020.3.4 Rassenga Italiana
□2020.3.5 Forli24ore
□コロナ危機に対する海外の労働組合の対応(2020.4.1 レディアン)