伍賀一道(金沢大学名誉教授)「休業者600万人(20年4月)はどうなったか ― 『労働力調査』(5月結果)をもとに ―」 (7/6)

 4月から5月にかけてのこの推移は男女で差異が見られます。図6のとおり、休業者から従業者に復帰した人の割合は男性の方が多く、女性では休業状態が続いている人は5割を超えています。仕事を断念して非労働力人口に移った人も女性の方が男性を上回っています。

 ところで、休業者から従業者になった人(男女計252万人)は元の職場に復帰しているとは限りません。解雇されて別の仕事に移った人も含まれます。特に小零細規模企業の休業者の場合、そうした人が多いのではないでしょうか。4月から5月にかけて「雇人のいない自営業主」が14万人増えたのですが(「労働力調査(基本集計)」20年4月、5月、第Ⅰ-1表)、会社から解雇されてやむなく個人事業主(フリーランス)になったという人はここにカウントされます。ウーバーイーツの配達員を始めた人が増えていると報じられていますが(前掲、『週刊東洋経済』特集記事参照)、この場合も「雇無し自営業主」に数えられます。

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