政府による看護師の日雇い派遣容認の動き(21.2.22) (3.7更新)

 政府・厚労省が、現行、労働者派遣制度では許されない看護師の日雇い派遣を、コロナ禍の緊急時であることを理由に、2月8日から1ヵ月のパブリックコメントを行い、4月から容認する動きを示しています。政府は、以前から日雇い派遣の対象を拡大する動きを示してきましたが、コロナ禍で逼迫している医療現場での看護師を集めることを口実にして、主に派遣業界からの業域拡大の要望に応える産官癒着の流れの中で、今回の措置を打ち出したものと推測できます。
 コロナ禍の中で、看護師確保は緊急に必要ですが、それであれば正規雇用、人間らしい労働条件での待遇が必要です。日雇い派遣というきわめて問題が多い不安定・劣悪雇用で募集するのは、二重、三重に間違った政策というしかありません。改めて問題点を考えるために、関連した情報を集めます。(21.2.22)

政府・厚労省関連情報
・ 第160回労働政策審議会職業安定分科会資料(2021.2.5)
・ 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(案)に関する御意見募集について
・ 福祉及び介護施設における看護師の日雇派遣に関するニーズ等の実態調査 集計結果(令和2年) PDF
・ 日雇派遣の原則禁止について

 反対声明関連情報
 ・ 日本医労連中央執行委員会 「社会福祉施設への看護師の日雇派遣」の解禁に断固反対する声明 (2021.2.24)
  看護師日雇い派遣に反対 日本医労連が声明(2021.2.25 共同通信社)
 ・ 非正規労働者の権利実現全国会議 共同代表 脇田滋 意見】 看護師の日雇派遣容認を含む政令改正案に強く反対する(2021.2.26)
 ・ 中村和雄弁護士 看護師の日雇派遣容認を含む政令改正案に強く反対です!(2021.2.27)
 ・ 民主法律協会 看護師の日雇い派遣を可能とする改正政令案に反対する緊急声明(2021.3.2)
 ・ 【#看護師の日雇い派遣に反対します】パブコメ全文公開!

関連情報
・ 看護師の日雇い派遣 4月以降容認へ 厚生労働省(NHK 2021.2.21)
「新型コロナウイルスの影響で介護施設や障害者施設などで働く看護師へのニーズが高まる中、厚生労働省は、法律で原則禁止されている看護師の日雇い派遣について政令を改正し、4月以降認める方向で検討を進めています。」
・ 看護師、介護施設への日雇い派遣可能に 4月から(日経新聞 2021.2.18)

・ 中沢彰吾 これではまるで「人間キャッチボール」!安倍官邸が推し進める規制緩和の弊害と人材派遣業界の闇(2015.5.15) 「私は過去1年間、一般人材派遣業許可を有する多くの人材派遣会社に登録し、「日雇い派遣」としてさまざまな仕事に従事してきました。
 各種国家試験等の試験監督のほか、学会の会場スタッフ、化粧品会社の卓上カレンダー組立作業、物流系倉庫でのピッキング、自治体の循環バスの乗客誘導員、テレビ局の新番組シミュレーション(鉄棒の逆上がりや体操のブリッジ、大縄跳び)、昨年12月の衆院選に際して有権者に支持政党や投票先を電話で聞き出す某メディアの世論調査、クリスマスケーキの製造、巨大モールのくじ引き抽選会、大学3年生向けの就活イベント……といった具合です。
 そこで身をもって体験したのが、年収3000万円を豪語する人材派遣会社の20代の社員たちが、時給数百円で自らの親世代にあたる中高年男女を酷使するという、異様ともいえる「奴隷労働の現場」だったのです。

 2007年当時、日雇い派遣の弊害が大きな社会問題になりました。弊害の多い派遣労働の中でも、きわめて不安定で無権利な働き方であることから、その廃止を求める声が高まりました。こうした声は、2009年の政権交代に結びつき、労働者派遣法の改正の際に、日雇い派遣廃止が、最優先の課題となりました。以下は、当時、TVや新聞からの依頼を受けて発言したものです。
脇田滋 視点・論点 「派遣業 急成長の影」(2007年08月23日pm.10.50-11:00 NHK)
脇田滋 日雇い派遣・偽装請負 世界最低のひどさ(しんぶん赤旗日曜版 2007.9.2)
脇田滋 日雇い派遣の問題点(京都民報WEB 2011.9.8)

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