労働ビッグバン3法の最後の労基法改正がまもなく閣議決定される動きにありましたが、本日の毎日新聞が報道しました。
自民、公明両党は28日、現行は一律25%の時間外労働の賃金割増率について、月に60時間を超える部分は50%とすることなどで大筋合意した。長時間労働を強いる企業に負担増を求め、労働時間短縮を図るのが狙いで、日本経団連も容認する構え。与党は野党とも協議したうえで、国会で継続審議となっている労働基準法改正案を超党派の議員立法で修正、9月12日召集予定の臨時国会で成立させる方針だ。
労基法改正をめぐる調整では、賃金の割増率50%の基準が焦点になってきた。政府は07年の通常国会に「月に80時間を超えた部分」などとする改正案を提出。だが、月80時間超という基準が「月80時間を超える残業が3カ月続く」と定めた過労死の認定基準と同じであるため与野党から批判が続出。与党は今年6月、政府案の修正では合意していた。
しかし、具体的な基準については「月60時間超」を主張する公明党に対し、経団連が反発したほか、連合はより厳しい規制を求めた。このため、自民党の川崎二郎元厚生労働相らが労使双方と水面下の調整を進め、月60時間超で合意する見通しがついた。施行は来年10月となる方向だ。
ただ、景気動向に影響を与えることを考慮し、中小企業には猶予期間を置く。経団連に配慮する形で、修正を与党で正式に合意する際、管理職手前の労働者を対象に残業という概念をなくす「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入を検討課題と位置づけることも検討している。
民主党は当初、50%の割り増し基準について「時間外労働のすべてを対象」と主張し、与党と対立していたが、連合も与党案を容認する姿勢であることから賛同するとみられる。【堀井恵里子】
◇ことば 時間外労働の賃金割り増し
現行の労働基準法は通常の1時間当たり賃金に25%割り増しした賃金を支払うよう定めている。政府が提出した改正案は(1)月に45時間以下の部分は現行法と同じ25%(2)月に45時間を超え、80時間以下の部分は25%に労使で合意した割増率を加える(3)月に80時間を超える部分は50%割り増し−−などの内容で、自民、公明両党は政府案の80時間を60時間に修正することで大筋合意。