1565団体参加 協力者8446人「生活丸ごと」相談 全労連中間報告
東京・日比谷公園から始まった「派遣村・街頭相談」が、全国百六十一カ所に広がっています。全労連が各地の活動について、中間報告をまとめました。一月以降、今月十四日までの取り組み状況を集計しました。今後、十四の地域でも予定されています。
相談件数は、計四千三百五十六件。内容は雇い止めや倒産、多重債務など労働問題の範囲を超え、「生活丸ごと」で各地とも共通していました。
「派遣切りにあい、仕事もお金もなく、自殺しようと思った」(岡山)「公営住宅から出ざるを得ず、軽自動車内で生活。所持金は十円で、最近は食べていない」(長野)などの実態がありました。
「非正規切り」によって職と住居を失った相談が大半で、六百四十一人が生活保護を申請しました。最多は静岡の百七件でした。
相談を通じて、労働組合に加入して立ち上がる動きも生まれています。相談から、ローカルユニオンや個人加盟労組に加入したのは百一人。違法な派遣労働の実態もわかり、労働局への申告は二十一件に達しました。
健康問題など多様な相談に対応するため、参加団体は計千五百六十五組織にのぼりました。個人の参加もあり、相談員やボランティア要員として八千四百四十六人が協力しました。弁護士や社会保険労務士、医者、人権団体、宗教団体、金融機関、政党、平和団体、連合、全労協の役員も参加し、共同を広げています。
静岡県浜松市では、全労連、全労協の各地域・加盟組織や金融機関まで共同。各地で、共同から新たなネットワーク作りのほか、恒常的な「派遣村」の開設に発展しています。支援物資やカンパ運動も取り組まれ、基金を作る動きもあります。
職員の休日配置など積極的な対応をする自治体も出ています。生活保護申請などを行うために、事前に協力を要請したところ自治体側は「日曜日であっても窓口を開き、受理する」(浜松市)や、「百人分のアパート宿泊先を確保し、対応」(愛知県岡崎市)などと回答。鳥取市では、開村日の開所式で市長があいさつしました。
全労連は「『派遣村・街頭相談』を引き続き発展させ、非正規・正規労働者をはじめ、『貧困状態』に陥っている国民諸階層の問題解決に取り組む」と強調。労働者派遣法の抜本改正を求める運動につなげていくとしています。