朝日新聞2013年1月23日
2013年度予算で焦点となっている生活保護基準額の引き下げについて、厚生労働省・自民党は23日、生活費にあたる「生活扶助費」を、3年間かけて段階的に約800億円減らす検討に入った。個別の支給額の引き下げ幅は世帯類型や住む地域によって変わるが、子どもがいる世帯などで最大10%になる見込みだ。公明党はまだ方針を決めておらず、同党との調整が焦点となる。
生活保護基準額をめぐっては、社会保障審議会の作業部会が、一般の低所得世帯(年収120万円未満)の消費支出と生活扶助費を比べた検証結果を公表。60歳以上の高齢者世帯では低所得世帯の生活水準を下回っているものの、子どもがいる夫婦世帯や母子世帯などで生活保護世帯への支給額が上回る、との報告をまとめている。
厚労省はこの結果をふまえて基準引き下げを検討した。生活扶助の10%削減を衆院選の公約に掲げた自民党が一層の引き下げを要求。前回の支給額見直しをした08年から5年間の物価下落分(4%強)の反映、年末に支給される「期末一時扶助」(1人あたり約1万4千円)の支給額見直しなども加え、削減額を積み増した。(後略)