NPO法人働き方ASU-NET設立10周年記念・第25回つどい 宣言

 

 

真は趙誠柱(チョ・ソンジュ)さんの講演に聴き入る参加者。通訳は呉民淑(オ・ミンスク)さん

ASU-NETは、「働き方ネット大阪」を立ち上げた2006年9月から数えて今年で10周年を迎えます。スタートは残業代ゼロ法案と批判されたホワイトカラー・エグゼンプション制度の導入を阻止する闘いでした。

以後今日まで、長時間労働と過労死、派遣労働、パート雇用、官製ワーキングプア、ブラック企業、不況、震災・原発、格差、貧困、生活保護、若者運動などをテーマに25回のつどいを重ねてきました。

『ワーキング・プア――アメリカの下層社会』(岩波書店)の著者デイビッド.K.シプラーさん(2007年5月)や、雇用・労働問題が専門のマサチューセッツ大学経済研究所教授ジェームズ・ハインツさん(2010年10月)を招くなど、国際交流も重視してきました。2012年5月には、大阪の他の市民団体といっしょにソウルを訪問し、朴元淳(パクウォンスン)市長に面談し非正規センターなどと懇談しました。10周年記念にふさわしく今回のつどいでは、韓国から青年労働運動のリーダーである趙誠柱(チョ・ソンジュ)さんをお迎えし、ソウルにおける青年ユニオンの元気な活動について講演していただくとともに、ソウル市の先進的な労働政策についても学ぶことができました。

2008年には雇用・労働問題に関する情報発信のためにホームページを開設しました。それから8年たって、アクセス総数は172万件を超えています。最近のアクセスは1日当たり1000件前後に達し、「働き方」に関する有力な情報源となっています。

この間、2013年7月には NPO法人に移行しました。団体名のASU-NETは活動家支援共同(Activist Support Union)の略称です。明日やUS(私たち)という意味も込め、若者と中高年が手をつなぎ、「まともな働き方の実現」をめざして活動してきました。

私たちの看板を奪うように、安倍内閣の「働き方改革」の動きが急を告げています。しかし、安易な期待をもつことはできません。政府は、長時間労働の是正や時間外労働の規制を唱える一方で、過労死防止法がめざす「過労死ゼロ」の流れに逆行して、「高度プロフェッショナル制度」の創設と企画業務型裁量労働制の営業職への拡大を押し通そうとしています。36協定についても、時間外労働が月80時間あるいは100時間を超えないよう「指導を強化」するにすぎず、法的規制に踏み込むものではないと予想されます。勤務間インターバル休息も、最低連続11時間以上の休息の確保を義務づけるEU(欧州連合)のような制度ではなく、労使の話し合いで「自発的」に導入するよう奨励することにとどまるのではないかと思われます。

しかし、政府が長時間労働の解消にかぎらず、非正規雇用の待遇改善を含め、「働き方改革」を言い出したいまは、私たちが求めるまともな働き方の実現を前進させる大きなチャンスです。この10年間の積み重ねの上に立って、いまこそ真の働き方改革をめざすNPOとして声を上げていきましょう。

                   2016年10月14日

                     ASU-NET設立10周年記念・第25回つどい参加者一同

  

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