【電通女性社員自殺】【電通女性社員自殺】 過労体質解明へ、過去にも自殺社員 遺族「国は指導を」

日本経済新聞 2016.10.14 
http://www.sankei.com/life/news/161014/lif1610140036-n1.html
 

 電通社員自殺の経緯

電通社員自殺の経緯

  電通では平成3年にも、入社2年目の社員、大嶋一郎さん=当時(24)=が過労自殺していた。「過労体質」が過去にも指摘されていながら、今度は新入社員だった高橋まつりさんがクリスマスの日に投身自殺。悲劇が繰り返された。異例の抜き打ち検査で、労働実態の検証が始まる。

 その日、高橋さんの職場では「部会」と呼ばれる飲み会が予定されていた。関係者によると、部会は社外に向けたプレゼンや接待などを訓練する「重要な場」と位置付け、新入社員が幹事を担当。終了後、先輩社員から改善点を指摘される「反省会」が午前4時まで続くこともあり、高橋さんは「嫌な仕事が待っている」と感じていたという。

 高橋さんが所属していたデジタル・アカウント部では昨年10月から、部署の人数が14人から半分以下の6人に減少。今年9月には、電通のインターネット広告部門で、過大請求約2億3千万円の不正取引があったことが発覚したが、不正の一因として、電通は「恒常的な人手不足に陥っていた」と認めている。

 3年に大嶋さんが自殺した際、電通は責任を認めず、損害賠償請求訴訟は上告審までもつれたが、最高裁は12年の判決で「過労自殺」を認定。「会社は社員の心身の健康に注意義務を負う」と判断した。

 高橋さんは自殺する直前の約2カ月、友人や母親らに、LINEやツイッターなどで「過労」をうかがわせる50通以上のメッセージを発信していた。

 

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