パナソニック介護子会社、パートの希望者全員を正社員に

 パナソニックの子会社で介護事業を営むパナソニックエイジフリー(大阪府門真市)は来年4月から、1年以上現場勤務するパートのうち、希望者全員を正社員にする。定年まで働くことができ、賞与、退職金も支給される。深刻な人手不足に悩む介護現場で、人材をつなぎとめるねらいだ。
 同社は、全国230拠点で、有料老人ホームやデイサービスなどを展開している。介護現場の従業員約3千人のうち約1500人がパートで、原則6カ月間の有期雇用契約となっている。
 来年4月以降、勤務が1年に達したパートに希望を聞き、順次、正社員にする。
 従来型のフルタイム勤務に加え、短時間勤務を認める「時間制正社員」も新たに設け、選択できるようにする。時間制は、パートのように時給制だが、賞与分も上乗せし、厚生年金など社会保険への加入もできるようになる。子育てなど生活の実情に合わせ、途中からフルタイムに切り替えることも可能にする。
 パナソニックエイジフリーにとっては、人件費負担は増すものの、離職者を減らすことで、募集広告など、新規採用のための費用を減らすねらいもある。
 9月の全国の有効求人倍率(季節調整値)は1・52倍と人手不足が進んでいる。とりわけ介護関連は3・74倍(実数ベース)と深刻で、3年足らずで離職する割合も高い。政府は、介護職員に支払う報酬を増やす検討を始めているが、事業者どうしの人材獲得競争も激しくなっている。(岩沢志気)

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